イヴァン・イヴァノヴィチ・バリャティンスキー

イヴァン・イヴァノヴィチ・バリャティンスキー（Князь Ива́н Ива́нович Баря́тинский）は、1772年10月17日にスモレンスクで生まれ、1825年6月13日にイヴァノフスコエで没した、ロシア帝国の公爵であり、外交官としても活躍した人物です。彼は、在フランス・ロシア大使であったイヴァン・セルゲーエヴィチ・バリャティンスキー公爵と、その妻であるシュレースヴィヒ＝ホルシュタイン＝ゾンダーブルク＝ベック公女カタリーナの長男として生まれました。

幼少期から軍人としてのキャリアを歩み始め、1780年には近衛竜騎兵連隊の陸軍少尉に任官し、1790年にはポチョムキン元帥の副官という要職にも就いています。また、女帝エカテリーナ2世の侍従という名誉ある役職も与えられました。その後、軍務から離れて外交官としての道を歩み始め、在英ロシア大使館の書記官としてキャリアを積みました。

1808年から1811年までの間、イヴァン・イヴァノヴィチ・バリャティンスキーは在バイエルン・ロシア大使として重要な役割を果たしました。バイエルン王国との外交関係を円滑に進める上で、彼の存在は不可欠でした。大使としての任期を終えた後は、故郷であるクルスク州の所領イヴァノフスコエに戻り、領地経営に専念しました。彼の統治下で、領地は発展を遂げ、地域経済の活性化に大きく貢献しました。

イヴァン・イヴァノヴィチ・バリャティンスキーは、二度の結婚を経験しています。最初の結婚は1806年、イギリスの馬主であり鉄道事業者でもあったシェルボーン男爵の三女、フランシス・メアリー・ダットンとでした。しかし、彼女は翌1807年に亡くなり、この結婚生活は短期間で終わりを告げました。二人の間には一女、エリザヴェータ・イヴァノヴナ・バリャティンスカヤが生まれました。

その後、1813年にドイツの外交官ケラー伯爵の長女、マリー・フォン・ケラーと再婚し、7人の子をもうけました。この再婚によって、彼の家族はさらに繁栄し、その子孫はロシア社会で重要な役割を果たすようになりました。

以下が、彼とマリー・フォン・ケラーの間に生まれた子供たちです。

オリガ・イヴァノヴナ・バリャティンスカヤ（1814年 - 1876年）：ヴラディーミル・ペトロヴィチ・オルロフ＝ダヴィドフ伯爵と結婚しました。
アレクサンドル・イヴァノヴィチ・バリャティンスキー（1815年 - 1879年）：陸軍元帥、カフカース副王として知られています。
レオニーラ・イヴァノヴナ・バリャティンスカヤ（1816年 - 1918年）：レフ・ヴィトゲンシュテイン侯爵と結婚しました。
ヴラディーミル・イヴァノヴィチ・バリャティンスキー（1817年 - 1875年）：陸軍中将として活躍しました。
マリヤ・イヴァノヴナ・バリャティンスカヤ（1818年 - 1843年）：ミハイル・ヴィクトロヴィチ・コチュベイ公爵と結婚しました。
アナトーリー・イヴァノヴィチ・バリャティンスキー（1821年 - 1881年）：陸軍中将を務めました。
* ヴィクトル・イヴァノヴィチ・バリャティンスキー（1821年 - 1881年）：海軍大佐として活躍しました。

イヴァン・イヴァノヴィチ・バリャティンスキーは、ロシア帝国の歴史において重要な役割を果たした人物であり、彼の功績は後世にまで語り継がれています。特に、外交官としての手腕と領地経営における功績は、特筆すべきものがあります。また、彼の子供たちもそれぞれがロシア社会の各方面で活躍し、その影響力は非常に大きいものでした。

もう一度検索