ウィケッド (アトラクション)

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン版『ウィケッド』：オズの魔法使いの知られざる物語

2006年7月12日、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（USJ）の『ランド・オブ・オズ』エリアオープンと同時に幕を開けたショー・アトラクション『ウィケッド』。ブロードウェイミュージカル『ウィキッド』を基に、USJのために再構成された、約35分の特別版として上演されました。2011年1月10日に閉幕するまで、約5年間に渡るロングラン公演を記録した、USJを代表する人気アトラクションの一つでした。

物語：エルファバとグリンダの友情

本作品は、誰もが知る物語『オズの魔法使い』の裏側を描いた、エルファバ（西の魔女）とグリンダ（北の良い魔女）の友情物語です。ブロードウェイ版を手掛けた脚本家たちが、USJのためにストーリーを再構成。ブロードウェイ版とは異なる、オリジナルの約35分版として上演されました。そのため、マダム・モリブルやDr.ディラモンドといった、ブロードウェイ版に登場する一部キャラクターは登場しません。

緑色の肌を持つエルファバは、人々から避けられ、孤独な日々を過ごしていました。一方、完璧な容姿と優雅さで周囲から羨望の眼差しを集めるグリンダ。正反対の境遇を持つ二人は、シズ大学で出会いますが、最初は反発し合います。しかし、エルファバが隠していた魔法の才能をグリンダが認め、賞賛したことで、二人の間には友情が芽生えます。やがて、エルファバの魔法の力をオズの大魔法使いに見てもらうため、エメラルドシティへの旅に出ることで、二人の運命は大きく動き出します。

キャストと演出：国際色豊かな舞台

エルファバ役は外国人キャスト、グリンダ役は日本人キャストが演じ、劇中では日本語と英語が混在する独特の演出が用いられました。観客は、日本語と英語が織りなす、国際色豊かな舞台を堪能することができました。

当初は英語の歌の日本語訳が書かれたガイドが配布されていましたが、後にはストーリーガイドへと変更されました。これにより、より深くストーリーを理解しながらショーを楽しむことが可能になりました。

主要登場人物

エルファバ: 緑色の肌を持つ主人公。魔法の才能を秘めているものの、周囲から疎まれ、孤独な生活を送っていました。
グリンダ: 完璧な容姿と優雅さで人気を集める学園の人気者。魔法に憧れを抱いていますが、自身には魔法の才能はありません。おしゃべりでお転婆な性格です。
オズの大魔法使い (ウィザード): オズの国で絶大な人気と尊敬を集める大魔法使い。しかし、その実態は人間であり、エルファバを利用しようとしています。
チストリー: オズの大魔法使いの召使いである、赤い猿。エルファバの魔法の力を試すために実験台にされます。

使用楽曲

ショーでは、以下の楽曲が使用されました。

One Short Day
Dear Old Shiz
What Is This Feeling?
The Wizard and I
Popular
A Sentimental Man
Defying Gravity Part 1
For Good
* Defying Gravity Part 2

キャスト

長期間に渡る公演のため、多くのキャストが交代で出演しました。グリンダ役、エルファバ役、オズの魔法使い役、チストリー役には、それぞれ多くの俳優が起用されました。詳細なキャスト情報は、公開されている資料をご参照ください。

スタッフ

ショーの成功には、多くのスタッフの貢献が不可欠でした。編曲はステファン・シュワルツ、台本作家はウィニー・ホルツマン、翻訳・訳詞・演出は菅野こうめい、振り付けは広崎うらんが担当しました。

終演とその後

2011年2月15日の『ランド・オブ・オズ』エリアクローズに伴い、『ウィケッド』は2011年1月10日に閉幕しました。『ランド・オブ・オズ』エリアの後継として、『ユニバーサル・ワンダーランド』が2012年3月16日にオープンしました。

USJ版『ウィケッド』は、ブロードウェイミュージカルをベースにしながらも、USJオリジナルの要素を取り入れた、記憶に残るショー・アトラクションでした。独特の演出と豪華なキャスト、そして魅力的な物語は、多くの来場者の心を掴み、USJの歴史に大きな足跡を残しました。

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