ウィッシュボーン・アッシュ

ウィッシュボーン・アッシュ概要

ウィッシュボーン・アッシュ（Wishbone Ash）は、イギリス・デヴォン州トーキーで1966年に結成されたロックバンドです。このバンドは、独自のツイン・リード・ギターのスタイルで知られ、1970年代には英国を代表するバンドの一つとして高く評価されていました。特に、リード・ギタリストのアンディ・パウエルとテッド・ターナーは、音楽史に名を刻むギタリストとしてしばしば取り上げられています。彼らは「ロック史における最も重要なギタリスト10人」に選出されるなど、その実力を認められています。

結成からの道のり

バンドの歴史は、スティーヴ・アプトン（ドラム）、マーティン・ターナー（ベース、ボーカル）、グレン・ターナー（ギター）が「The Empty Vessels」として始まりました。しかし、グレンが脱退したため、テッド・ターナーが加入し、その後にアンディ・パウエルも加わります。このチーム編成によって、ウィッシュボーン・アッシュのアイデンティティが確立されました。

バンド名は「ウィッシュボーン」と「アッシュ」の二案を結びつけて、マーティン・ターナーによって名付けられました。1970年にはマイルス・コープランド3世と契約し、音楽活動を本格的に開始します。この時期、彼らはオールマン・ブラザーズ・バンドとは異なった音楽要素を取り入れ、プログレッシブ・ロックやフォーク、クラシック音楽からの影響を受けていました。

デビューと成功

1970年12月に発表したデビュー・アルバム『光なき世界』（Wishbone Ash）は、セールス成功を収めました。特に曲「フェニックス」は今なお演奏され続ける代表曲となっています。彼らの名声を決定づけたのは、1972年にリリースされたアルバム『百眼の巨人アーガス』（Argus）です。このアルバムは全英アルバムチャートで最高3位を記録し、数多くの音楽雑誌によって評価されました。特にヒプノシスによるジャケットデザインも好評を博しました。

成長と変化

その後もバンドは様々な作品を発表し、1973年には自身でプロデュースしたアルバム『ウィッシュボーン・フォー』を発表します。ライブアルバム『ライヴ・デイト』も同年にリリースし、イギリス国内外での人気を享受しました。しかし、アメリカ市場へ進出しようとした矢先、メンバー変更が相次ぎ、特にテッド・ターナーの脱退は大きな痛手とされました。

1976年には『ニュー・イングランド』を発表し再び自分たちのスタイルを取り戻しましたが、その後、バンド内のメンバーの出入りが激しくなり、1980年代後半には中心メンバーのマーティン・ターナーが脱退。その後も新たなメンバーの加入が続きながらも、アンディ・パウエルがバンドを支え続けました。

現在の活動

1987年にはオリジナルメンバーが復帰し、アルバム『Nouveau Calls』が制作されたものの、売上は期待を下回りました。1989年のアルバム『Here to Hear』では新たな音楽的スタイルを模索しましたが、旧来のファンの支持を失いました。以後、メンバーの脱退が続き、オリジナルメンバーはアンディ・パウエルのみとなっています。今日でも彼らは活動を続けており、コンスタントに新作を発表する一方で、演奏する曲の多くは70年代の人気曲です。

結論

ウィッシュボーン・アッシュは、そのユニークなスタイルと歴史的な影響力で今なお多くのファンに愛され続けています。彼らの音楽は特にツイン・リード・ギターの特徴的なスタイルを持ち、1970年代からの影響を受けつつも新たな挑戦を続けていることが特徴です。

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