ウィリアム・スクール

ウィリアム・スクール

ウィリアム・スクール（William Scull）は、1992年6月6日にキューバのマタンサスで生まれたプロボクサーです。スーパーミドル級を主戦場とし、元IBF世界スーパーミドル級王者としてその名を馳せています。

プロキャリアの始まり

スクールは2016年11月11日にプロボクサーとしての第一歩を踏み出し、デビュー戦で1回KO勝利という鮮烈なスタートを切りました。キャリア初期は主にアルゼンチンを拠点に活動し、2019年7月20日にはフスティニアノ・ポセで行われた南米大陸スーパーミドル級王座決定戦に出場。セバスチャン・ホラシオ・パペスキを相手に6回TKO勝利を収め、自身初のタイトルを獲得しました。

アルゴ・スポーツ移籍後の躍進

その後、ドイツのプロモーションであるアルゴ・スポーツに移籍したスクールは、ヨーロッパを舞台にさらなるキャリアを積み重ねます。2021年2月27日、ベルリンのアルゴ・スポーツパークで行われたIBOインターナショナルスーパーミドル級王座決定戦では、ヒノ・カンターズと対戦。12ラウンドをフルに戦い抜き、3-0の判定で勝利して新たなタイトルを獲得しました。同年11月26日には、再びアルゴ・スポーツパークでデネブ・ディアスとIBFラテンアメリカスーパーミドル級王座決定戦を行い、この試合では2回TKOという圧倒的な強さで王座を手に入れています。

これらの勝利により世界ランキングを上昇させたスクールは、2022年7月2日、エルディングのシュタットベルケ・アリーナでエフゲニー・シュベデンコとIBF世界スーパーミドル級挑戦者決定戦で激突。12回の接戦の末、3-0の判定勝ちを収め、当時の世界王者サウル・カネロ・アルバレスへの指名挑戦権を獲得しました。

世界王座獲得への道

世界挑戦権を得て以降、スクールはビッグマッチを待ち望むことになります。2024年5月4日には、ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されたサウル・アルバレス対ハイメ・ムンギア戦という注目のイベントの前座で、ショーン・ヘンフィルと対戦。8回判定勝ちを収め、世界戦への期待感を高めました。

同年7月26日、IBFは当時の王者サウル・アルバレスが正規の指名挑戦者であるスクールとの対戦を回避し、別の対戦相手（エドガー・ベルランガ）との試合を内定させたことを理由に、アルバレスのIBF世界スーパーミドル級王座を剥奪しました。これにより、空位となった王座を巡り、IBFはランキング1位のスクールと同2位のウラジミール・シシュキンに対し、王座決定戦を行うよう指令を出しました。

そして2024年10月19日、ベルリン郊外ファルケンセのシュタンツァーレにて、ウィリアム・スクールはウラジミール・シシュキンとのIBF世界スーパーミドル級王座決定戦に臨みました。12ラウンドに及ぶ激しい攻防の末、ジャッジ3者すべてがスクールを支持する3-0（116-113、116-112、115-113）の判定勝利を収め、念願の世界王座獲得という快挙を達成しました。

戦績と獲得タイトル

プロボクサーとしての総戦績は 24戦23勝（9KO）1敗 です（※王座獲得時点の情報に基づく）。

これまでに獲得した主なタイトルは以下の通りです。

南米大陸スーパーミドル級王座
IBOインターナショナルスーパーミドル級王座
IBFラテンアメリカスーパーミドル級王座
IBF世界スーパーミドル級王座（防衛0）

ウィリアム・スクールは、着実にキャリアを積み重ね、世界王座を手にしたキューバの強豪ボクサーとして、今後もその活躍が注目されています。

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