ウィーン地下鉄

ウィーン地下鉄（U-Bahn Wien）は、オーストリアの首都ウィーンを網羅する公共交通機関です。運営は、ウィーン市が出資するウィーン路線網有限合資会社（Wiener Linien GmbH & Co KG）が行っています。

概要

本格的な地下鉄としての開業は1978年のU1号線が最初ですが、その2年前の1976年には、高架と掘割を走っていた都市鉄道（シュタットバーン）の一部を地下鉄に改築したU4号線が開業しています。このシュタットバーンは1898年開業という長い歴史を持つ鉄道で、カールスプラッツ駅をはじめとするU4号線、U6号線の駅舎は、著名な建築家オットー・ワーグナーによって設計されました。これらの駅舎は、ウィーンの歴史的建造物としても重要な存在です。

特筆すべきは、U6号線がシュタットバーンを地下鉄として再編した路線であり、その大部分が高架区間である点です。また、U2号線は、元々路面電車の地下区間として開業したものを一部転用して開業しています。このように、ウィーン地下鉄は、既存の交通インフラを有効活用しながら発展してきた経緯があります。

現在、5路線（U1、U2、U3、U4、U6）が運行されており、総延長は74.2kmに達します。近年では、U1号線のReumannplatzーOberlaa間が2017年に延伸開業しました。さらに、2025年以降の開業を目指して、U2号線の延伸とU5号線の新設工事が進行中です。これらの延伸計画は、ウィーンの都市開発と密接に連携しており、今後の発展が期待されています。

路線の特徴

ウィーン地下鉄の軌間は全線1435mm（標準軌）で統一されていますが、集電方式と車両の大きさが路線によって異なります。U1〜U4号線は、第三軌条集電方式を採用し、比較的大型の車両を使用しています。一方、U6号線は架空電車線集電方式を採用しており、路面電車と同程度の大きさの車両を使用し、9両編成を組んで運行しています。この違いは、U6号線が元々シュタットバーンであったという歴史的な背景によるものです。

路線一覧

U1号線：南北を貫く基幹路線
U2号線：市中心部を環状に走る路線（延伸工事中）
U3号線：東西を結ぶ路線
U4号線：旧シュタットバーンの一部を転用した路線
U6号線：旧シュタットバーンを地下鉄化した高架路線

ウィーン地下鉄は、市民の足としてだけでなく、観光客にとっても欠かせない交通手段です。歴史的な駅舎、効率的な運行、そして積極的な延伸計画など、ウィーンの都市生活を支える重要なインフラストラクチャーと言えるでしょう。

外部リンク

ウィーン路線網 公式ページ（実際のURLを記載してください）

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