ウイッテンマン・ルイス XNBL-1

ウイッテンマン・ルイス XNBL-1（Witteman-Lewis XNBL-1 "Barling Bomber"）

ウイッテンマン・ルイス XNBL-1はアメリカ陸軍が1920年代初頭に開発した爆撃機であり、主に戦略爆撃を目的としていました。この機体は、長距離飛行能力と大きな搭載量を備えた爆撃機の完成を目指して設計されましたが、残念ながら実際の性能は期待に反するものでした。

この爆撃機の設計はウォルター・バーリングによって行われました。バーリングは、XNBL-1の開発に着手する前に、三葉の大型爆撃機であるタラント テーバー（Tarrant Tabor）を設計していましたが、そのテーバーは1919年に初飛行を果たした際に転覆事故を起こし、破損してしまいました。

XNBL-1は、タラント テーバーと同様に6発機として設計されましたが、エンジンの配置は見直され、胴体と同じラインに配置されるように変更されました。また、10個ある車輪のうちの2つは転覆防止のために前方に突出させて取り付けられました。機体はデイトンのウィルバー・ライト飛行場で組み立てられ、開発費用は総額52万5千ドルに達しました。

1923年8月22日に初飛行を果たし、この時点で2,300 kgの爆弾を搭載可能でした。しかし、航空機としての性能は極めて低迷していました。主翼は3枚構造で支柱や張線が複雑に絡み合っており、これによって大きな空気抵抗が生じました。全負荷状態でも最高速度は155 km/hに留まり、航続距離は270 kmに過ぎませんでした。

対照的に、同時期に短距離用に開発されたマーチン NBS-1は900 kgの爆弾を搭載しつつ、同じ速度で725 kmの距離を飛行することが可能でした。実際、デイトンからワシントンへの飛行ではアパラチア山脈を超えることができず、迂回しなければならない事態が発生しました。

ただし、XNBL-1にはいくつかの先進的な特徴がありました。胴体部分にはアルミ合金が使用され、電気機器の搭載やエンジン制御の工夫もありました。しかし、格納庫の建設費用が70万ドルに達すると見込まれたため、大規模な量産は行われず、試作機も使われることなく放置されました。結果的に、1928年頃には解体されてしまいました。その背景には、税金の無駄遣いだと批判されることを恐れて軍の高官が解体を命じたという指摘もあります。

ウイッテンマン・ルイス XNBL-1は、1935年にボーイング XB-15が登場するまで、アメリカで最も大きな航空機とされていました。以下はXNBL-1の主要な要目です：

• - 乗員：7名
• - 全長：19.81 m
• - 全幅：36.58 m
• - 全高：8.23 m
• - 空虚重量：12,307 kg
• - 全備重量：19,309 kg
• - エンジン：6×Liberty L-12A (420 hp)
• - 最高速度：154 km/h
• - 巡航速度：100 km/h
• - 巡航高度：2,350 m
• - 航続距離：200 km（全備荷重時）
• - 武装：2,300 kgの爆弾搭載、7×7.7mm機銃

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