ウインドミル (競走馬)

ウインドミルは、1985年に生まれた日本の競走馬、そして後に種牡馬としても活動しました。中でも特筆すべき功績は、1988年に南関東の二冠目である東京ダービーを制したことです。

競走生活の始まりは1987年11月、大井競馬場での3歳新馬戦でした。このデビュー戦を見事勝利で飾ると、続く2戦目、年が明けて4歳になった初戦も連勝し、無傷の3連勝という華々しいスタートを切ります。勢いに乗って、南関東のクラシック三冠路線に駒を進めました。

三冠への道のりは容易ではありませんでした。前哨戦として臨んだ京浜盃ではナスノダンデーに及ばず2着、雲取賞では4着となります。三冠の第一関門である羽田盃、そして黒潮盃でも、当時のライバルであったリュウコウキングの後塵を拝し、続けて2着に敗れました。しかし、迎えた二冠目の東京ダービーでは、それまでの雪辱を果たすかのように、再び対戦したリュウコウキングを抑え込み、栄光のダービー馬の称号を獲得しました。

東京ダービー制覇後も現役を続行しましたが、勝利からは遠ざかります。地方競馬でさらに7戦を消化する中で、オープン特別の新春盃で2着に入ったのが最高成績でした。重賞戦線でも、報知オールスターカップと関東盃でそれぞれ3着となるなど掲示板には載りましたが、勝ち星を挙げることはできませんでした。

地方でのさらなる勝利を目指すよりも、新たな挑戦として中央競馬（JRA）への移籍を決断します。中央移籍初戦は、当時既にトップホースとして名を馳せていたオグリキャップやイナリワンらも出走する毎日王冠でした。ウインドミルの評価は8頭立ての中で7番人気と低かったものの、優勝したオグリキャップから大きく離されず4着に入り、その能力の片鱗を見せつけました。

しかし、続く天皇賞（秋）で10着に敗れて以降、中央での成績は振るわない時期が続きます。その後は二度しか5着以内に入ることができませんでした。具体的には、1990年の吾妻小富士賞で5着、朱鷺ステークスで3着を記録したのみでした。新潟記念で6着となったのを最後に、再び地方競馬へと舞台を移します。

地方への復帰を果たした後も、かつての輝きを取り戻すことはできませんでした。復帰初戦となった東京大賞典では6着、続く東京シティ盃と川崎記念では共に9着と大敗が続きます。この3戦の結果を受けて、ウインドミルは現役を引退することとなりました。

競走馬としてのキャリアを終えたウインドミルは、生まれ故郷である日本で種牡馬として第二の馬生を送ることになりました。しかし、その種牡馬成績は期待されたものとはなりませんでした。約10年間の供用期間において、血統登録された産駒は22頭にとどまります。そのうちレースに出走したのは16頭で、勝ち馬は8頭、産駒全体の総勝利数は18勝と、父として大きな成功を収めるまでには至りませんでした。東京ダービー馬としての名声を持ちながらも、血統を残すという点では厳しい現実を突きつけられた形です。ウインドミルは、南関東クラシックの中心で輝いた名馬として、今も多くのファンの記憶に残っています。

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