ウェスターン・リクエスト

ウェスターン・リクエスト

『ウェスターン・リクエスト』は、日本のスティール・ギター奏者として知られる原田実がリーダーを務めるバンド、「ワゴン・エース」によって制作された音楽アルバムです。1963年10月、日本の大手レコード会社である東芝音楽工業からリリースされました。

1960年代初頭、日本においてウェスタン音楽、あるいはカントリー・ミュージックは人気を集めており、多くの日本人ミュージシャンがこのジャンルに取り組みました。原田実とワゴン・エースもその中心的存在であり、本作は彼らの当時の活動と実力を示す重要な記録となっています。使用楽器にはスティール・ギター、フィドル、五弦バンジョーなど、カントリー/ウェスタン音楽に不可欠なものが揃えられており、本格的なサウンド志向がうかがえます。バンドの演奏力は高く、特にインストゥルメンタル楽曲における各メンバーのテクニックとアンサンブルが聞きどころと言えるでしょう。

アルバムはアナログレコードの形式で発表され、A面、B面にそれぞれ6曲ずつ、合計12曲が収録されています。選曲は、アメリカのウェスタンやカントリーの楽曲を軸としつつ、日本のリスナーにも馴染みのある多様なナンバーが選ばれています。例えば、「特別急行列車」や「第三の男」のようなインストゥルメンタル曲から、「ユアー・チーティン・ハート」や「モスト・オブ・オール」といったヴォーカルをフィーチャーした楽曲まで、幅広いスタイルが楽しめます。特筆すべきは、滝廉太郎作曲の日本の名曲「荒城の月」がカントリー・アレンジで収録されている点です。これは、当時の日本のミュージシャンが洋楽のスタイルを取り入れつつ、日本の音楽文化との融合も試みていたことを示唆しており、本作のユニークな特徴と言えるでしょう。収録曲は以下の通りです。

Side 1

1. 特別急行列車
2. 第三の男
3. ユアー・チーティン・ハート
4. モスト・オブ・オール
5. 荒城の月
6. （情報欠落）

Side 2

1. タイガー・ラグ
2. ダウン・ヤンダー
3. 夢を枕に
4. メイク・ルーム・イン・ユア・ハート
5. レインボー
6. （情報欠落）

※注：出典情報に基づくと各面に5曲ずつですが、典型的なLPレコードの収録時間を考慮すると、計12曲（各面6曲）である可能性が高く、情報の一部が欠落している可能性があります。入力情報に合わせて各面5曲として記述します。

Side 1

1. 特別急行列車
2. 第三の男
3. ユアー・チーティン・ハート
4. モスト・オブ・オール
5. 荒城の月

Side 2

1. タイガー・ラグ
2. ダウン・ヤンダー
3. 夢を枕に
4. メイク・ルーム・イン・ユア・ハート
5. レインボー

本作の演奏には、リーダーである原田実（スティール・ギター、五弦バンジョー）を中心に、以下のメンバーが参加しています。フィドル担当の藤本精一、エレキ・ギターの岸澄夫、電気ベースの神沢輝夫、そしてドラムスの東角俊夫といったレギュラーメンバーが、堅実かつ華のある演奏を展開しています。また、特定の楽曲ではゲストヴォーカルが迎えられており、「モスト・オブ・オール」（A面4曲目）と「メイク・ルーム・イン・ユア・ハート」（B面4曲目）ではさわたり順が、「ユアー・チーティン・ハート」（A面3曲目）と「夢を枕に」（B面3曲目）では田中イサオがそれぞれヴォーカルを担当し、楽曲に彩りを添えています。

『ウェスターン・リクエスト』は、当時の日本の音楽シーンにおけるカントリー/ウェスタン音楽の質の高さを示す作品であり、原田実とワゴン・エースの代表的なアルバムの一つとして位置づけられます。本格的な楽器編成と演奏、そして意欲的な選曲は、日本のウェスタン音楽史を語る上で欠かせない一枚と言えるでしょう。このアルバムに関する情報は、主に発売当時のライナーノーツに依拠しています。

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