ウェスリー・ウィンダム＝プライス

ウェスリー・ウィンダム＝プライス：臆病な監視者から勇敢な戦士へ

ウェスリー・ウィンダム＝プライスは、ドラマ『バフィー 〜恋する十字架〜|バフィー_〜恋する十字架〜』とスピンオフ『エンジェル』に登場する、アレクシス・デニソフ演じる重要なキャラクターです。彼の物語は、臆病な監視者（ウォッチャー）から、勇敢で時に残酷な戦士へと変貌を遂げる、複雑で波乱万丈なものでした。

バフィーでの登場：未熟なウォッチャー

ウェスリーは『バフィー』シーズン3で、バフィーとフェイスという二人のスレイヤーの監視者として登場します。しかし、彼は経験不足で自信がなく、当初はスレイヤーたちを導くことができませんでした。特に、『無力なバフィー』での失態をきっかけに、ジャイルズの後任としてウォッチャーを解任されてしまいます。また、バンパイア・ウィロー事件をきっかけに、コーディリアと恋に落ちますが、ウォッチャーの地位を解任されイギリスに送還されることになり、その関係は長くは続きませんでした。

エンジェルでの転身：デーモンハンター、そしてリーダーへ

ロサンゼルスに渡ったウェスリーは、フリーのデーモンハンターとして活動を始めます。エンジェルとの再会をきっかけに、彼の探偵事務所に加わることになり、徐々にその才能を開花させていきます。当初は頼りない存在でしたが、数々の困難な状況に立ち向かう中で、彼は戦術家としての能力を発揮し、銃の扱いや魔術にも精通していきます。フェイスとの再会では激しい暴行を受けるなど、苦難も経験しましたが、エンジェルとの友情を深め、彼の右腕として事務所を支える存在となっていきます。

しかし、エンジェルが敵対していたウルフラム&ハートの幹部を見殺しにしたことに抗議し、一時的に解雇されるなど、正義感の強さゆえにエンジェルと対立することも。その後和解し、エンジェルの事務所の所長に就任し、組織を運営する手腕を発揮しました。

悲劇と愛、そして死

ウェスリーの物語は、愛と喪失、そして悲劇に彩られています。エンジェルの息子コナーを拉致したことがきっかけで、彼は深い苦悩を抱えることになります。その後、ウルフラム&ハートの弁護士ライラとの恋愛、そしてフレッドへの報われない愛は、彼の人間性をより深く掘り下げました。特に、フレッドが殺されたことは、彼に深い絶望をもたらし、ウルフラム&ハートとの最終決戦へと彼を駆り立てます。

最期は、赤い顔の悪魔ヴェイルに刺され、フレッドの姿に変身したイリリアに看取られながら息を引き取りました。その死は、彼の複雑な人生を象徴するものであり、多くの視聴者に深い感動を与えました。

コミック版での復活：マインドコントロールされた存在

コミック版『After the Fall』では、シニアパートナーの使いとして登場し、エンジェルと行動を共にしますが、後にマインドコントロールされていることが判明します。この設定は、彼の物語に新たな側面を加えましたが、アニメ版での悲劇的な結末を覆すものではありませんでした。

ウェスリー・ウィンダム＝プライスは、単なる脇役ではなく、『バフィー』と『エンジェル』の世界において、欠かすことのできない重要なキャラクターです。彼の成長、苦悩、そして愛は、多くの人々の心を捉え、今もなお語り継がれています。

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