ウエスト・サイド物語

ウエスト・サイド物語

『ウエスト・サイド物語』は、アーサー・ローレンツが脚本を、レナード・バーンスタインが音楽を担当したブロードウェイのミュージカルです。この作品は1957年に初演され、シェイクスピアの名作『ロミオとジュリエット』から着想を得ています。物語は、ニューヨークの58街地区における2つの非行グループ、ポーランド系アメリカ人の「ジェッツ」とプエルトリコ系アメリカ人の「シャークス」の抗争を背景に、2人の若者の恋物語を描いています。

あらすじ

第1幕

舞台は、ニューヨークのウエスト・サイド。午後5時、ジェッツとシャークスの間に緊張が走ります。相手グループとの縄張り争いから、ついにリーダーのリフが決闘を提案します。彼は、かつての仲間トニーに参加を促すが、トニーは非行から足を洗ったと告げます。しかし、トニーは何かが起こる予感に駆られ、結局パーティに参加することを決めます。

夜の体育館では、2つのグループがダンスを楽しんでいます。その中で、トニーは美しいマリアと出会い、彼女に一目惚れします。しかし、彼女の兄ベルナルドが現れ、2人は引き裂かれてしまいます。以後、トニーはマリアの名を呼び続け、互いの気持ちを確認しようとします。

第2幕

時間が進む中、ベルナルドがトニーを恨むあまり、悲劇が展開します。決闘を経て、トニーとマリアの愛を試練が襲います。彼女は、兄を殺したトニーに対する葛藤に悩むが、最終的には彼を愛する。一方、チノがトニーに命を狙い、トニーはマリアをかばいながら命を落とします。

登場人物

• - リフ: ジェッツのリーダー。強気かつ少し風変わりな性格。
• - トニー: 本作の主人公。恋に落ちるが、暴力の連鎖に巻き込まれる。
• - マリア: ベルナルドの妹。純真で愛らしく、トニーの運命を変える存在。
• - ベルナルド: シャークのリーダーで、妹を守るためにトニーと対立する。

音楽と振付

このミュージカルは印象的な音楽とダンスで知られています。特に『ジェット・ソング』や『何かが起こりそう』などの楽曲は聴く者を魅了し、作品に色彩を与えています。振付はジェローム・ロビンズが手掛け、その独自のスタイルは後のミュージカルに多大な影響を与えました。

上演と映画化

『ウエスト・サイド物語』は、1961年と2021年に映画化され、いずれの作品も高い評価を受けました。特に1961年版は多くのオスカー賞を受賞し、ミュージカル映画の金字塔と称されています。また、日本でも様々な形式で上演が行われており、そのたびに新たな観客を魅了しています。

影響と評価

『ウエスト・サイド物語』は、ただの恋愛劇としてだけでなく、当時の社会的背景や人種間の対立など、深いテーマを持った作品としても評価されています。設定やキャラクターの共鳴は、時代を超えて多くの人々に影響を与え続けており、多くのリバイバル公演が行われています。

このように、『ウエスト・サイド物語』は音楽、踊り、ドラマが融合した芸術作品であり、観る者の心に強く訴えかける普遍的な魅力を持ったミュージカルです。

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