ウォルターズ美術館

ウォルターズ美術館は、アメリカ合衆国メリーランド州ボルチモアに位置する美術館です。その起源は、19世紀に実業家であったウィリアム・トンプソン・ウォルターズとその息子ヘンリー・ウォルターズによる美術コレクションに遡ります。

美術コレクションの形成

ウォルターズ父子は、西洋絵画、彫刻、装飾美術、写本、古代エジプト、ギリシャ、ローマの美術品など、多岐にわたる美術品を収集しました。彼らは審美眼と豊富な資金を活かし、ヨーロッパやアメリカの美術市場から貴重な作品を入手し、コレクションを充実させていきました。特にヘンリー・ウォルターズは、父の遺志を継ぎ、コレクションの拡充に尽力しました。

美術館の設立と発展

ヘンリー・ウォルターズは、ボルチモアのチャールズ通りに建物を購入し、収集した美術品を保管・展示しました。1931年にヘンリーが亡くなると、彼の遺言により、22,000点に及ぶコレクションと建物がボルチモア市に寄贈されました。これにより、1934年にウォルターズ・アート・ギャラリー（Walters Art Gallery）として美術館が開館し、一般公開されることとなりました。その後、2000年にウォルターズ美術館（The Walters Art Museum）と改名され、現在に至っています。

コレクションの概要

ウォルターズ美術館のコレクションは、古代から19世紀までの幅広い時代の美術品を網羅しています。西洋絵画では、中世・ルネサンス期の宗教画、バロック期の肖像画、19世紀の印象派の作品などが充実しています。古代美術では、エジプトのミイラ、ギリシャの彫刻、ローマのモザイクなど、貴重な遺物が数多く所蔵されています。また、中世の写本、装飾美術品、宝飾品なども見逃せないコレクションです。

美術館の活動

ウォルターズ美術館は、美術品の収集・保存・展示だけでなく、教育普及活動にも力を入れています。様々なテーマの展覧会を開催し、講演会、ワークショップ、子供向けプログラムなどを実施しています。また、所蔵品はオンラインで公開されており、誰でも手軽に鑑賞することができます。

まとめ

ウォルターズ美術館は、ウォルターズ父子の情熱と遺志によって設立された、ボルチモアの重要な文化施設です。多様なコレクションを通じて、古代から現代までの美術の歴史を辿ることができ、多くの人々に感動と学びを提供しています。

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