ウォレント

ウォレント (Warrant)

ウォレントは、1980年代後半にアメリカで隆盛を極めたグラム・メタル・ムーブメントの一翼を担ったバンドです。キャッチーなメロディと派手なルックスで人気を博し、数々のヒット曲を世に送り出しました。

歴史

結成とデビュー

1984年、ギタリストのエリック・ターナーを中心にロサンゼルスで結成されました。その後、ベーシストのジェリー・ディクソン、シンガーのジェイニー・レインが加入し、デビュー時のラインナップが完成しました。

コロムビア・レコードとの契約を獲得したウォレントは、1989年にデビューアルバム『マネー・ゲーム』を発表。このアルバムから、バラード「ヘヴン」が全米2位の大ヒットとなり、アルバム自体も200万枚を売り上げるという大成功を収めました。また、ポール・スタンレーやクイーンズライク、ポイズン、キングダム・カムなどの大物アーティストとのツアーも行い、知名度を高めました。

『いけないチェリーパイ』と人気絶頂期

1990年には、セカンドアルバム『いけないチェリーパイ』をリリース。このアルバムも200万枚を売り上げ、全米7位にランクインするなど、ウォレントの人気は絶頂期を迎えます。再びポイズンとのツアーも行い、ファン層を拡大しました。

グランジの台頭と音楽性の変化

1990年代に入ると、グランジ・ロックが台頭し、1980年代に活躍したLAメタルバンドは軒並み人気が低迷。ウォレントもその影響を受けました。1992年にリリースしたサードアルバム『ドッグ・イート・ドッグ』では、グランジの要素を取り入れた音楽性へと変化を試みましたが、かつてのような成功を収めることはできませんでした。

ジェイニー・レインの離脱と再加入、そして悲劇

2004年には、長年バンドの顔であったボーカルのジェイニー・レインが脱退。オリジナルメンバーであったスティーヴン・スウィートとジョーイ・アレンが復帰し、元ブラック・アンド・ブルーのジェイミー・セント・ジェイムズをボーカルに迎えてアルバム『ボーン・アゲイン』を2006年に発表しました。

2008年にはジェイニー・レインが復帰し、オリジナルラインナップでの活動を再開しますが、ジェイニーのパフォーマンスの問題からすぐに解雇。代わりに元リンチ・モブのロバート・メイソンが加入しました。しかし、2011年8月、ジェイニー・レインがホテルで急逝するという悲劇が起こりました。

現在の活動

2017年には、6年ぶりのアルバム『ラウダー・ハーダー・ファスター』をリリースし、現在もロバート・メイソンを中心に活動を続けています。

メンバー

現ラインナップ

ロバート・メイソン (Robert Mason) – ボーカル (2008年– )
エリック・ターナー (Erik Turner) – ギター (1984年– )
ジョーイ・アレン (Joey Allen) – ギター (1987年–1994年、2004年– )
ジェリー・ディクソン (Jerry Dixon) – ベース (1984年– )
スティーヴン・スウィート (Steven Sweet) – ドラムス (1986年–1994年、2004年– )

ディスコグラフィ

スタジオ・アルバム

『マネー・ゲーム』 - Dirty Rotten Filthy Stinking Rich (1989年)
『いけないチェリー・パイ』 - Cherry Pie (1990年)
『ドッグ・イート・ドッグ』 - Dog Eat Dog (1992年)
『ウルトラフォービック』 - Ultraphobic (1995年)
『ベリー・トゥ・ベリーVOL.1』 - Belly To Belly Volume One (1996年)
Under the Influence (2001年)
『ボーン・アゲイン』 - Born Again (2006年)
『ロッカホリック』 - Rockaholic (2011年)
『ラウダー・ハーダー・ファスター』 - Louder Harder Faster (2017年)

ウォレントは、1980年代のLAメタルシーンを彩ったバンドの一つとして、その音楽は今もなお多くのファンに愛され続けています。

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