ウォード・キンボール

ウォード・ウォラス・キンボール（1914年3月4日 - 2002年7月8日）は、アメリカ合衆国ミネソタ州ミネアポリス出身のアニメーター、映画監督であり、かつてウォルト・ディズニー・プロダクションに所属していました。彼は、ディズニーの黄金期を支えた「ナイン・オールドメン」の一員として知られています。

経歴

1934年にウォルト・ディズニー・プロダクションに参加し、初期にはいくつかの短編集を担当しました。その後、『白雪姫』でアニメーターとして参加しますが、自身が担当したシーンが最終段階で削られたことに大きなショックを受け、スタジオを退職することを決意します。しかし、ウォルト・ディズニーから次作『ピノキオ』のジミニー・クリケットの担当を依頼され、この依頼が彼のキャリアを大きく変えることになります。

キンボールは、ユーモラスな動きの描写に卓越した能力を発揮し、『ピノキオ』のジミニー・クリケットをはじめ、『シンデレラ』の猫ルシファーなど、数々の個性的なキャラクターを生み出しました。彼の独特なキャラクターは、観客に強烈な印象を与え、作品の魅力を高める上で重要な役割を果たしました。

1973年にウォルト・ディズニー・プロダクションを退社し、1996年に引退しました。

逸話

『シンデレラ』に登場する猫のルシファーの作画に苦労していた際、ウォルト・ディズニーがキンボールの自宅を訪れました。その時、ウォルトは「ルシファーならここにいるよ」と言い、キンボールの足に擦り寄ってきたペットの猫フィーツィーを指しました。キンボールは、このフィーツィーをモデルにルシファーを描いたと、作品の特典映像の中で語っています。

日本の漫画家、手塚治虫は、ディズニーファンとして知られていましたが、特にキンボールの才能に心酔していました。鈴木伸一と共にキンボールの自宅を訪問した際、鈴木がテーブルの上に置かれていたジミニー・クリケットが口笛を吹く場面の原画を見て「これ、欲しいですね」と言うと、手塚は「ぼくだって欲しいよぉ!」と子供のように口をとがらせたというエピソードが残っています。このエピソードは、キンボールの作品が、国境や世代を超えて多くの人々に愛されていたことを物語っています。

受賞歴

1989年 - ディズニー・レジェンド

代表作

映画
ピノキオ (1940) - ジミニー・クリケット
シンデレラ (1950) - ルシファー

外部リンク

ウォード・キンボール - allcinema
ウォード・キンボール - KINENOTE
Ward Kimball - IMDb（英語）

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