ウォード・セクストン

ウォード・セクストン氏（本名：ウォード・E・セクストン、1953年または1954年生まれ）は、かつて日本を主な活動拠点としていた英語ナレーターであり、声優としても知られています。彼の最大の特徴は、深く、記憶に残る声質であり、多くの聴衆に「渋く印象的」と評されました。

生い立ちと日本での活動開始

セクストン氏は、日本の福岡県でアメリカ人の父と日本人の母の間に生まれ、幼少期はアメリカ合衆国で育ちました。その後、1980年代前半に日本へ戻り、東京で英語ナレーターとしてのキャリアをスタート。キャリアを積む中で、日本人の女性と結婚しています。

ナレーターとしての実績

日本での活動開始以来、彼の独特な声は多岐にわたるメディアで聞かれるようになりました。数多くの映画の予告編やテレビコマーシャルで英語ナレーションを担当。その質の高さと存在感から、1990年代には日本における英語ナレーション分野の第一人者と目される存在となりました。

特に長く知られている仕事が、テレビ朝日系列で放送された人気音楽番組『ミュージックステーション』でのナレーションです。1994年から2021年までの実に約27年間にわたり、番組のオープニングコールや企画コーナーの紹介などを担当し、その声は番組の顔として多くの視聴者に親しまれ続けました。

* ゲーム・映画への参加

ナレーターとしてだけでなく、セクストン氏は声優としてもその才能を発揮しました。世界中で根強い人気を誇るサバイバルホラーゲームシリーズ『バイオハザード』では、ゲーム全体の雰囲気を盛り上げるナレーションを担当。また、サイコロジカルホラーゲームの金字塔として評価される『サイレントヒル2』では、声優の一人として参加し、作品世界の構築に貢献しました。さらに、2008年公開の映画『デトロイト・メタル・シティ』では、ナレーションや声優としてではなく、俳優としてクレジットされており、彼の表現の幅広さを示しています。

ウォード・セクストン氏は、その卓越したナレーション技術と独特の声質で、日本の映像・音声メディア界に確固たる足跡を残しました。長年にわたる『ミュージックステーション』での貢献をはじめ、『バイオハザード』などの人気作品への参加を通じ、彼の「渋くて印象的な声」は多くの人々の記憶に残っています。日本における英語ナレーションの黎明期から発展期にかけて、その中心的存在として活躍した彼の功績は大きいと言えるでしょう。

もう一度検索