ウォーリー・ピップ

ウォーリー・ピップ：メジャーリーグの名選手

ウォーリー・ピップ（本名：ウォルター・クレメント・ピップ）は、1893年に生まれ、1965年にこの世を去ったアメリカのプロ野球選手です。彼は主に内野手として知られ、特にニューヨーク・ヤンキースでの活躍により名を馳せました。ピップの名は、メジャーリーグの歴史の中で非常に特異な役割を果たしています。

野球キャリアの初期

ピップはアメリカ・カトリック大学で学ぶ傍ら、デトロイト・タイガースでの短期間のプレーを経て、1915年にニューヨーク・ヤンキースに入団しました。彼のデビューは12試合という少ない出場機会でしたが、ポジションを一塁手として定めると、すぐにチームの主力選手となりました。

特筆すべきは、1916年のシーズンで12本の本塁打を放ち、ニューヨーク・ヤンキースの球団史上初のアメリカンリーグ本塁打王に輝いたことです。その翌年にも本塁打王を獲得し、彼の名声はさらに高まりました。

ヤンキースでの功績

ピップは1921年から1923年にかけてリーグ三連覇を達成し、また1923年にはワールドシリーズでの優勝の一翼を担いました。これらの成功は彼のキャリアを支える重要な要素でした。ピップは単に優れた打者としてだけでなく、チームメイトのルー・ゲーリッグを見出し、彼をヤンキースに推薦したことでも知られています。ゲーリッグはその後、2130試合連続出場という驚異的な記録を樹立しました。

交代と引退

1925年6月2日、ピップは調子を崩し、監督ミラー・ハギンスの判断によりゲーリッグと交代されることになります。これは彼にとって大きな転機となりましたが、ゲーリッグはこのチャンスをものにし、スタメンに定着します。さらに、ピップはその後の練習中に頭蓋骨を骨折するという不運に見舞われ、シーズン終了後にシンシナティ・レッズへとトレードされました。

レッズでも3シーズンを過ごした後、1928年に現役を引退しました。引退時の通算226犠打は、ヤンキースの球団記録として現在も破られていません。

晩年と死去

現役引退後、ピップはスポーツ・イラストレイテッドの初期のライターの一人として活動し、野球に関する記事を執筆しました。1965年にはミシガン州グランドラピッズにて亡くなり、地元のウッドローン墓地に埋葬されています。

最後に

ウォーリー・ピップのキャリアは、彼のプレーだけでなく、その後の選手たちにも大きな影響を与えました。特に、彼の欠場がルー・ゲーリッグのキャリアの始まりを導いた事件は、野球の歴史の中で記憶に残るものです。ピップの名前は、現在でも多くの野球ファンに語り継がれています。

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