ウオヤドリエビ綱

ウオヤドリエビ綱（Ichthyostraca）について

ウオヤドリエビ綱は、寄生性の甲殻類の一群であり、鰓尾亜綱と舌形亜綱に分類される重要な生物群です。これらの生物は、他の動物に寄生することで知られており、特に魚類や脊椎動物との関係が深いです。

変遷と分類の歴史

このグループは、もともとは異なる生物群と考えられていましたが、詳細な研究によりその関係が明らかになりました。鰓尾亜綱に属する生物は、主に魚類に寄生し、特に日本では金魚や鯉に寄生するチョウが知られています。これらの生物は、円盤状に広がった頭部を持ち、魚の体表に吸着する構造をしています。さらに、円筒形の胴体には遊泳用の附属肢があり、自由に泳ぐことができます。

一方、舌形亜綱に分類される生物は、さまざまな脊椎動物の鼻腔や肺に寄生する点虫のような形態を持っています。これらの生物は、成体になると体の先端に口を持ち、両側に鉤が付いています。これにより、宿主にしっかりと付着し生き延びることができます。

長い間、これら二つのグループの系統関係は不明でしたが、最近の分子系統解析により、舌虫類が甲殻類に特化した節足動物であることが明らかになり、鰓尾類との関連性も指摘されるようになりました。また、顎脚類の多系統性が示されたことにより、これらの二群は近縁であると評価され、ウオヤドリエビ綱という新しい分類群が成立しました。

ウオヤドリエビ綱の詳細な分類

ウオヤドリエビ綱の分類は、以下のように整理されています：

• - ウオヤドリエビ綱（Ichthyostraca）

- 鰓尾亜綱（Branchiura）
- チョウ目（Arguloida）
- チョウ科（Argulidae）

- 舌形亜綱（Pentastomida）
- ケファロバエナ目（Cephalobaenida）
- Cephalobaenidae（科）
- ポロケファルス目（Porocephalida）
- Linguatuloidea（上科）
- シタムシ科（Linguatulidae）
- Subtriquetridae（科）
- Porocephaloidea（上科）
- Nettorhynchidae（科）
- Porocephalidae（科）
- Armilliferinae（亜科、アルミリファー科）
- Porocephalinae（亜科）
- セベキア科（Sebekidae）
- Diesingiinae（亜科）
- Leiperiinae（亜科）
- Samboninae（亜科）
- Sebekinae（亜科）
- ライリエチエラ目（Raillietiellida）
- ライリエティエラ科（Raillietiellidae）
- レイガルディア目（Reighardiida）
- レイガルディア科（Reighardiidae）

このように、ウオヤドリエビ綱は非常に特徴的で多様な生態を持つ甲殻類のグループであり、これらの生物に関する研究は進んでいます。彼らの進化の過程や生態系における役割についてさらなる知見が求められています。

もう一度検索