ウクライナ安全保障支援イニシアティブ

ウクライナ安全保障支援イニシアティブ (USAI) について

ウクライナ安全保障支援イニシアティブ（Ukraine Security Assistance Initiative、略称USAI）は、アメリカ国防総省が主導する資金提供プログラムです。このイニシアティブは、ウクライナ軍がロシアの侵略に対してより効果的に防衛できるように、その能力向上を目的としています。

USAIは、単に装備を提供するだけでなく、ウクライナ軍の訓練、装備品の提供、そして専門家による助言といった、多岐にわたる支援活動を包括的に行っています。さらに、ロシアによるサイバー攻撃や偽情報に対抗するためのサイバー防衛能力の向上、および戦略的コミュニケーションの支援も重要な柱となっています。

USAIの支援内容

USAIは、米国務省と連携しながら、以下のような幅広い安全保障支援活動をサポートしています。

諜報支援: 最新の諜報情報を共有し、ウクライナ軍の戦略立案を支援します。
人員訓練: ウクライナ兵に対する最新の戦術や装備の操作方法に関する訓練を実施します。
装備品と後方支援: 防衛に必要な装備品や弾薬を提供し、それらの維持・管理のための後方支援を行います。
物資およびその他のサービス: 戦闘に必要な物資や、その他の関連サービスを提供します。

これらの支援を通じて、USAIはウクライナの防衛能力を総合的に向上させることを目指しています。

ウクライナ安全保障支援グループ (SAGU)

2022年には、ウクライナへの支援を円滑に進めるための窓口として、ウクライナ安全保障支援グループ（Security Assistance Group-Ukraine、略称SAGU）が創設されました。このグループは、ウクライナへの支援活動を体系的に行う上で重要な役割を果たしています。

SAGUの設立に先立ち、2022年3月には、共同支部「EUCOMコントロールセンター・ウクライナ/国際寄付者調整センター」（ECCU/IDCC）が発足しました。このセンターは、ウクライナ兵1500人に対して、有志連合から寄贈された装備品に関する訓練を実施しました。

その後、ウクライナ・コンタクトグループによる装備品の出荷と訓練措置が、SAGUによって体系的に行われるようになりました。SAGUはドイツのヴィースバーデンに本拠を置いており、当初は第18空挺軍団司令官のクリストファー・T・ドナヒューによって緊急に配置されました。その後、2022年12月22日には、アントニオ・アグト中将がSAGUの司令官に就任しました。

SAGUは、訓練プログラムも拡充しており、2023年1月までに、1ヶ月あたり約500人のウクライナ兵が訓練を受けています。これにより、ウクライナ軍の即戦力化が加速しています。

資金提供

USAIは、米国の防衛請負業者から装備品、兵器、弾薬を直接購入するための資金も提供しています。2022年8月には、イニシアティブ基金から30億ドルが拠出されました。この資金によって、ウクライナは迅速かつ効率的に必要な装備を調達することが可能になっています。

USAIは、ウクライナの防衛能力を向上させるための重要な取り組みであり、今後もその活動が継続されることが期待されています。

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