ウクライナ東部・南部4州の併合に関するウラジーミル・プーチンの演説

ウクライナ4州併合に関するプーチン大統領の演説

2022年9月30日、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は、ウクライナ東部・南部4州（ドネツク、ルガンスク、ザポロージエ、ヘルソン）のロシアへの併合を発表する演説を行いました。この演説は、モスクワのクレムリンでロシア連邦議会に向けて行われ、36分間に及びました。

演説の内容

プーチン大統領の演説は、西側諸国との対立を強く意識した内容が中心でした。彼は、西側が国際ガスパイプラインの破壊を画策していると非難し、西側諸国のプロパガンダをナチスの宣伝大臣ゲッベルスのプロパガンダに例えて批判しました。さらに、反ロシアプロパガンダが「ロシア恐怖症」を煽り立て、ロシアを悪として描いていると主張しました。また、ナチス支持者であり過激な反共主義者として知られる哲学者イワン・イリインについても言及しました。

プーチン大統領は、アメリカが広島と長崎への原爆投下を行ったことを引き合いに出し、「核を使った前例を作った」と述べて、核兵器使用の可能性を示唆するような発言も行いました。これは、核兵器に関するレトリックを再び用いたもので、国際社会に大きな衝撃を与えました。

演説の数日前には、ウクライナ軍がリマン付近でロシア軍を包囲しており、戦況は緊迫していました。これに対しプーチン大統領は、ウクライナに対して「直ちに砲撃、爆撃、すべての戦闘行為を停止し、交渉のテーブルに着く」ことを要求しました。そして、「ドネツク、ルガンスク、ザポロージエ、ヘルソンの人々の運命は議論されない、それはもうすでに議論されている、ロシアはそれを裏切らない」と述べ、4州の併合は既定路線であると強調しました。

各方面からの反応

この演説に対し、多くのメディアは「プーチンが西側に対して放った最も鋭い敵意の宣言」と報じました。ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、この演説を受けて「ウクライナは、別のロシア大統領と交渉する用意がある」と述べ、ロシアとの交渉を拒否する姿勢を示しました。さらに、ウクライナがNATOに加盟申請することを決定したと発表し、ロシアへの対抗姿勢を明確にしました。

まとめ

プーチン大統領の演説は、ウクライナ4州の併合を正当化し、西側諸国への対立姿勢を明確にしたものでした。演説の中で、プーチン大統領は核兵器使用の可能性にも言及し、国際社会の緊張を高めました。この演説は、ウクライナ情勢に大きな影響を与え、今後の国際関係を考える上で重要な出来事となりました。

[外部リンク]
* Полный текст на сайте президента России (ロシア大統領府公式サイトの演説全文)

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