ウクライナ民族主義者組織

ウクライナ民族主義者組織（OUN）

ウクライナ民族主義者組織（OUN）は、1929年にオーストリアのウィーンで設立された反ポーランドおよび反ソ連を掲げる政治団体です。この組織は、ウクライナの民族自決を求め、国の独立を実現するために戦いました。

設立と初期の活動

その起源は1920年に遡り、チェコスロバキアのプラハで亡命ウクライナ人によって結成されたウクライナ軍事組織にあります。イェヴヘーン・コノヴァーレツがその指導者となり、彼のリーダーシップの下、反ポーランドの姿勢が強調されました。その後、1929年、学生組織との合同により、ウクライナ民族主義者組織（OUN）として再編成されました。

OUNは、一時約2万人のメンバーを擁し、武力闘争を通じてポーランドやソ連の要人に対する暗殺、政府機関の破壊を試みました。特に顕著な例が1934年のポーランド内務大臣、ブロニスラフ・ピエラキの暗殺です。この事件は、OUNの過激な活動の象徴的な出来事となりました。

内部対立と分裂

しかし、組織は内部での意見の相違から、1938年に分裂しました。コノヴァーレツの暗殺後、彼の指導していた派閥を支持するアンドリイ・メーリヌィクと、より過激な立場のステパーン・バンデーラ派に分かれ、互いに対立することとなりました。両派はそれぞれ独自の戦略で政治活動や武力闘争を展開し、ウクライナの独立を訴え続けました。

独ソ戦とその後の活動

1941年、独ソ戦が勃発すると、ドイツ軍のウクライナ占領を一時的に歓迎した両派でしたが、ウクライナ独立国を宣言したことにより、ドイツ側からの圧力を受けることになります。ドイツ軍による弾圧の中、OUNは地下に潜り、1942年にはウクライナ蜂起軍（UPA）を組織し、再びパルチザン活動を展開しました。この活動は、ドイツ軍とソ連軍の両方に対する抵抗運動として知られています。

日本との関係

さらに興味深いのは、1930年代に日本との接触があったことです。亡命ウクライナ人を通して両国は一定の繋がりを持ちましたが、日本の軍部が白系ロシアのロシアファシスト党を支援する方針に変わると、この関係は終了しました。

結論

ウクライナ民族主義者組織（OUN）は、ウクライナの民族独立と自決を求めるために武力を用いた政治的運動であり、その歴史は複雑で多面的です。彼らの活動は、ウクライナにおける民族意識の高まりと、戦争の影響を受けた歴史的背景から多くの考察を引き起こしています。

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