ウサギバブル

ウサギバブルとは

ウサギバブル（うさぎばぶる）とは、1870年代初頭の明治時代に東京を中心に発生した、ウサギに対する投機的な熱狂を指します。当時、富裕層たちは外来種のカイウサギに対して強い興味を持ち、愛玩用や品種改良のための飼育が盛んに行われました。このため、ウサギの価格は急騰し、投資目的の購入者が続出しました。

流行の起源と広がり

ウサギの流行は、明治4年（1871年）頃から始まり、特に1872年の春頃にはその人気が一層高まりました。特に、耳の長い外国種のウサギへの関心が高まり、「兎会」と呼ばれる社交の場が設けられ、そこでウサギの毛色や値段が話題になりました。さらには、交配やブリーディングを通じて新たな品種が生まれ、例えば「更紗兎」といった美しい模様を持つウサギも登場しました。

その影響で、ウサギの取引価格は高騰し、繁殖用の雄兎が200〜600円、そして繁殖のための種付け料が2〜3円にまでなることもありました。

規制の導入

しかし、投機的な売買は社会問題として現れ始め、明治5年（1872年）7月には大阪で兎の市や集会が禁止され、翌年の明治6年（1873年）1月には東京でも同様の禁止令が発令されました。さらに、ウサギの飼育や売買に対する規制が強化され、兎税の導入が行われました。これにより、ウサギの価格は急落し、市場から姿を消したものも多くなりました。

規制後の変化

最初はウサギの取引が衰退し、農家や市民はウサギを処分したり、隠したりする状況となりました。しかし、1880年頃に兎税が廃止されると、再びウサギの飼育や売買が活発化する兆しを見せました。しかし、ウサギバブルの熱は既に冷めており、業者や飼育者の数は劇的に減少しました。

その後の影響

ウサギバブルの終息後も、ウサギの飼育に関する需要は続き、家畜としての飼育方法や管理についての指南書も出版されるようになりました。これにより、飼育のためのコストや予測可能な投資が行われるようになり、再びウサギに対する関心は高まりました。

また、価格の急騰とその後の暴落の教訓は、経済や投資の世界においても重要な視点を与えることになりました。

今日では、東京地方税理士会のキャラクターとして「トッチーくん」がウサギをモチーフにデザインされており、ウサギバブルを文化的な側面としても振り返る事ができる状態になっています。ウサギバブルは、単なる動物の流行ではなく、当時の経済や社会状況を反映した重要な現象であったと言えるでしょう。

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