ウシャコフ記章

ウシャコフ記章について

ウシャコフ記章（ロシア語: Медаль Ушакова）は、ソビエト連邦によって設けられた名誉章であり、ロシア帝国の海軍大将フョードル・ウシャコフの名前にちなんで名付けられました。この記章は、社会主義国家の海洋防衛において特に優れた功績を持つ海軍関係者に対して授与されました。対象には船長、船員、海軍兵士、艦艇の部隊、さらには艦長が含まれます。

受章条件

ウシャコフ記章を受けるための条件としては、以下のような要件が定められていました。まず、海上で社会主義の敵と戦闘を行うことが求められます。また、ソビエト連邦の国境防衛に参加し、海軍や国境警備隊の艦船にて戦闘任務に従事することも必須です。さらに、生命の危機に直面している際に軍事的義務を果たすことが求められました。記章は左胸に佩用され、勇敢記章の下に位置づけられます。

記章の意匠

ウシャコフ記章は銀製で、直径36mmの凸状の縁取りのある円形をしています。中央部にはドットで描かれた円の中にウシャコフの肖像が配置されています。その上部には「Адмирал Ушаков（ウシャコフ提督）」との刻印が施されており、下部には月桂樹がリボンで束ねられた装飾が施されています。また、裏面には製造番号が刻まれています。

この記章は、五角形の台座に接続されており、台座には青地の絹製モアレリボンが巻かれています。リボンの両端には白および青の縁取りが施され、幅は24mmです。白の縁取りは2mm、青の縁取りは1.5mmで配置されています。さらに、リボンの上には錨の鎖が2本掛けられ、記章を一層引き立てています。

結び

ウシャコフ記章は、ソビエト連邦の海軍にとって非常に重要な記章であり、その受章は特に顕著な勇敢さや貢献を象徴しています。海洋における国防の重要性が認識される中、この記章は海軍兵士たちの誇りと業績を称えるものです。従って、ウシャコフ記章はその由来となるウシャコフ提督の精神を受け継ぎ、現在でも海軍の名誉として重視されています。

参考文献

• - Кавалеры медали Ушакова. — СПб: Центральный военно-морской архив, издательство «Аграф+», 2011.
• - Изотова М. А., Царёва Т. Б. (2010). Ордена и медали России и СССР. Ростов-на-Дону: ООО ИД «Валдис». 
• - Володин А. Н., Мерлай Н. М. (1997). Медали СССР. СПб.: Печатный двор.
• - Колесников Г. А., Рожков А. М. (1986). Ордена и медали СССР. Мн.: Народная асвета.

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