ウズベク共和国

ウズベキスタン共和国

ウズベキスタンは中央アジアに位置する共和制国家であり、1991年にソビエト連邦から独立しました。本項では、その歴史と概況について解説します。

歴史

ウズベク・ソビエト社会主義共和国 (1924–1991)

1924年、民族自決政策に基づき、トルキスタン自治ソビエト社会主義共和国から分離する形でウズベク・ソビエト社会主義共和国が成立しました。ソビエト連邦の構成国として、社会主義体制下で政治、経済、社会が運営されました。綿花栽培が奨励され、モノカルチャー経済が形成された一方で、ロシア語教育の普及や文化の統制が行われました。

ウズベキスタン共和国 (1991–)

1991年8月31日、ウズベキスタンは独立を宣言し、同年12月8日に独立を承認されました。初代大統領には、イスラム・カリモフが就任し、長期にわたる政権を維持しました。独立後、市場経済への移行が進められましたが、政府による統制が強く、徐々に民主化が進められました。2016年にカリモフ大統領が死去し、シャフカト・ミルジヨエフが大統領に就任して以降は、経済改革や対外開放政策が積極的に推進されています。

地理

ウズベキスタンは、国土の大部分が乾燥地帯であり、砂漠やステップが広がっています。アラル海に注ぐアムダリヤ川とシルダリヤ川が主な水源ですが、灌漑用水の過剰な利用により、アラル海の縮小が深刻な環境問題となっています。主要都市としては、首都タシケント、古都サマルカンド、ブハラ、ヒヴァなどがあります。

政治

ウズベキスタンは、大統領を元首とする共和制国家です。立法府は二院制の最高議会（オリ・マジュリス）であり、上院と下院で構成されています。大統領は国民の直接選挙で選出され、行政権を行使します。近年、ミルジヨエフ大統領の下で政治改革が進められており、言論の自由の拡大や司法制度の改革などが実施されています。

経済

ウズベキスタンの経済は、綿花、天然ガス、金などの資源に依存しています。独立後は市場経済への移行が進められていますが、政府の関与が依然として大きい状況です。近年は、外国投資の誘致や観光産業の育成に力が入れられており、経済の多角化が進められています。

文化

ウズベキスタンは、シルクロードの要衝として栄えた歴史を持ち、多様な文化が融合しています。イスラム教が主な宗教ですが、ソビエト時代の影響も残っており、世俗的な文化が根付いています。サマルカンド、ブハラ、ヒヴァなどの古都には、イスラム建築の美しいモスクやマドラサ（神学校）が数多く残されており、世界遺産に登録されています。

ウズベキスタン料理は、米、肉、野菜を多用したものが多く、プロフ（ピラフ）、ラグマン（麺料理）、シャシリク（串焼き）などが代表的です。

課題

ウズベキスタンは、アラル海の環境問題、貧困、人権問題など、多くの課題を抱えています。政府は、これらの課題に取り組むために、経済改革、政治改革、社会改革を推進しています。また、近隣諸国との関係改善にも努めており、地域協力の強化を目指しています。

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