ウタウエ地域

ウタウエ地域

概要

ウタウエ地域（Outaouais）は、カナダのケベック州に設けられた地方行政区画の一つです。州の南西部に位置し、その名の通りオタワ川の北岸に広がる地域を含んでいます。この河川を挟んで、カナダ連邦の首都が所在するオンタリオ州と境を接しており、地理的に重要な位置を占めています。

行政区分

ウタウエ地域の行政構造は、複数の階層から成り立っています。この地域全体は、以下の主要な区分によって管理されています。

単一層自治体

ガティノー市（Gatineau）

ウタウエ地域の中で最も人口が多く、中心的な役割を担う都市です。ガティノーは単一層自治体（ville fusionnée）として位置づけられており、広範な行政権限を持ちます。この都市は、かつて独立していた都市であるハル（Hull）をはじめ、周辺のいくつかの自治体が合併して誕生しました。ケベック州における主要都市の一つであり、連邦政府機関のオフィスが多く集まるなど、隣接する首都オタワとの結びつきが非常に強いのが特徴です。

上層自治体（MRC）

ガティノー市を除く地域は、四つの地域県（MRC: Municipalité régionale de comté）に分けられ、それぞれのMRCの下に複数の基礎自治体が存在します。ウタウエ地域全体では、これら四つのMRCとガティノー市の合計で、七十五の基礎自治体（municipalités、市町村）が含まれます。

ラ・ヴァレ＝ドゥ＝ラ・ガティノー郡（La Vallée-de-la-Gatineau）

ガティノー川沿いに広がる地域を管轄するMRCです。その名の通り、「ガティノー渓谷」に位置し、豊かな自然が特徴です。主要な都市としては、マニワキやグレースフィールドなどがあります。

レ・コリーヌ＝ドゥ＝ルタウエ郡（Les Collines-de-l'Outaouais）

「ウタウエの丘陵地帯」を意味するこのMRCは、その名の通り起伏に富んだ地形が特徴です。広大なガティノー・パークの大部分が含まれており、自然景観が美しい地域として知られています。チェルシーなどが主要な基礎自治体として含まれます。

パピノー郡（Papineau）

ウタウエ地域の東部に位置するMRCです。パピノービルなどがこの地域に含まれる主な基礎自治体です。

* ポンティアック郡（Pontiac）

ウタウエ地域の西部に広がるMRCです。この地域は、ケベック州の中では比較的、英語話者の住民が多いことで知られています。キャンベルズ・ベイなどが主要な基礎自治体の一つです。なお、同じウタウエ地域内には、レ・コリーヌ＝ドゥ＝ルタウエ郡に属する「ポンティアック」という名の基礎自治体も存在するため、混同しないよう注意が必要です。

これらの行政区分を通じて、ウタウエ地域は多様な地理的・文化的な特性を持ちながら運営されています。中心都市ガティノーの都市機能と、周辺MRCに広がる自然豊かな景観が共存し、地域全体の魅力となっています。

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