ウダイ・サッダーム・フセイン

ウダイ・サッダーム・フセイン・アッ＝ティクリーティー

ウダイ・サッダーム・フセイン・アッ＝ティクリーティー（1964年6月18日生まれ）は、イラク元大統領サッダーム・フセインの長男であり、彼の最初の妻であるサージダ・ハイラッラーとの間に生まれました。ウダイは、イラクの軍事、政治、メディアにおいて大きな影響力を持っていましたが、その行動は悪名高く、暴力的で過酷なものでした。彼は父の後継者になることが期待され、イラン・イラク戦争や湾岸戦争を通じてその権力を維持しようとしていました。

生い立ち

ウダイは、サッダームとサージダに非常に甘やかされて育ちました。これは、サッダームが自らの子どもに対して厳しい教育を施さないという親心から来ていたとされています。ウダイは自身の高校で乱暴で手に負えない生徒として知られ、気に入った生徒の親の車を奪ったりするなどの行為を行っていました。大学ではバグダード工科大学を首席で卒業しましたが、教師に対する威圧的な態度があったとされています。

ウダイはまた、スポーツにも多大な関心を持ち、サッカーチーム「アッ＝ラシード」を設立しました。このクラブに所属していた選手には特典が与えられ、国民の間で注目される存在になりました。1986年、サッダームはウダイをイラク・オリンピック委員会の会長へ任命し、彼の権力を強化しました。彼はこの役職を通して、多くのスポーツ選手に対して暴力的な態度を示し、命を奪うことさえありました。

殺人事件

1988年、ウダイはエジプトのムバーラク大統領夫人との騒動の中、彼の側近を殺害しました。この事件は、サッダームに激しい怒りを引き起こし、ウダイは一時的に収監されましたが、特別扱いを受け、すぐに解放されました。

権力復帰

その後、ウダイは海外に任命されるも、酒と女性に溺れた生活を送っていました。彼は不正行為で利益を得たため、経済制裁の中でも裕福な生活を維持しました。また、スポーツ選手に対する暴力的な振る舞いは続き、52人以上の選手が彼の暴力により命を落としたとされています。

暗殺未遂と後継者レースからの脱落

1996年には暗殺未遂に遭ったものの、命は取り留めましたが、その後の影響で精神的に不安定となり、後継者としての地位をほぼ弟のクサイに譲る形となりました。ウダイはその後、数年間にわたりより限られた権力の範囲で生活することになりました。

イラク戦争と死

2003年、イラク戦争が勃発すると、ウダイは戦争の混乱の中で権力を取り戻そうと試みましたが、結局、米軍によって殺害されました。彼の死はイラク国民にとって一つの象徴的な出来事であり、彼の遺体は死後も多くの話題を呼ぶこととなりました。ウダイ・サッダーム・フセインは、父の権力の影響の下で激動の人生を生き、最終的には悲劇的な結末を迎えることとなりました。

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