ウッテガエシ

囲碁における打手返し（ウッテガエシ）

囲碁における打手返し（ウッテガエシ）とは、相手の石を取る基本的な手筋の一つです。具体的には、相手の石がアタリになっている状態を回避しようとして、その石を打ち抜いたとしても、その直後に再びアタリの状態となり、結果的に石を取られてしまう状況を指します。

英語では「snap-back」と呼ばれます。古い文献などでは「ウッテガエ」と表記されていることもありますが、近年では「ウッテガエシ」が一般的です。

基本形

以下は打手返しの基本的な形を示した図です。


[画像: 打手返しの基本形]


この図において、黒番がbにアタリを打っても、白はaにツグことによって黒石を取ることができません。しかし、黒はあえてアタリを覚悟して、aに石を打ち込む（ホウリコム）のが好手となります。



[画像: 打手返しの手順1]


次に、白がbに石を打つと、先ほどaに打たれた黒石は取られてしまいますが（中図）、その代わりに白の3つの石がアタリの状態になります。この時、黒は再びaに石を打つことで、白の3つの石を取ることができます（右図）。この一連の手筋が打手返しと呼ばれるものです。


[画像: 打手返しの手順2]


また、上記図において、黒がaに打つこと自体も打手返しの一種です。

両ウッテガエシ

さらに、以下のような状況では、両ウッテガエシという高度な手筋が用いられることがあります。


[画像: 両ウッテガエシの基本形]


この図において、黒番の場合、白石を取るためには、まずaに石を打ちます。その後、白がbに打ち、黒がcに打つと、以下のようになります。


[画像: 両ウッテガエシの手順1]


この時、白はdに打って黒石1つを取っても、eに打って黒石3つを取っても、次に黒が取られた石があった場所と同じ場所に石を置くと、白の石は再び取られてしまいます。このように、2箇所同時に打手返しの状態を作り出す手筋を両ウッテガエシと呼びます。両ウッテガエシは、より多くの石を効率的に取るための高度なテクニックと言えるでしょう。

打手返しは、一見すると損に見える手を打つことで、結果的に大きな利益を得るための戦略的な手筋です。囲碁の対局において、この手筋を理解し使いこなすことは、勝利への重要な鍵となります。

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