ウドン (カンボジア)

ウドン (Oudong)

ウドンは、カンボジアの中部、カンダル州に位置する都市です。クメール語ではឧដុង្គ、英語ではOudongと表記され、サンスクリット語のउत्तुङ्ग (uttauṅga)に由来し、「至高」という意味を持ちます。1618年から1866年までの間、カンボジアの首都として機能していました。

歴史

ウドンは、17世紀初頭から19世紀後半にかけてカンボジアの政治、経済、文化の中心地でした。特に、市内にあるプノンウドン(クメール語: ភ្នំឧដុង្គ、英語: Phnom Udong、「至高の丘」の意)は、王宮や寺院が建てられ、王都としての象徴的な役割を果たしていました。

1618年に首都となってから、ウドンは王室の権威を象徴する場所として発展しました。しかし、1866年、ノロドム王によって首都がプノンペンへ移されると、その重要性は徐々に低下していきました。

20世紀に入ると、ウドンは戦禍に見舞われます。ベトナム戦争時には、アメリカ軍による広範囲な空爆を受け、大きな被害を受けました。さらに、1970年代には、クメール・ルージュによる破壊行為によって、多くの文化遺産が失われました。これらの出来事は、ウドンの歴史に深い傷跡を残しました。

現在、ウドンは静かな地方都市となっていますが、その歴史的な重要性から、多くの観光客が訪れる場所となっています。プノンウドンには、かつての王宮や寺院の跡が残っており、カンボジアの歴史を偲ぶことができます。

関連項目

* ロウウェク（旧王都）：ウドン以前のカンボジアの王都であり、ウドンと同様に重要な歴史的価値を持つ都市です。

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