ウマ (麻雀)

麻雀のウマとは

麻雀における「ウマ」とは、半荘（ハンチャン）終了時の順位に基づいて、プレイヤー間でやり取りされる点数のことを指します。このウマの存在が、麻雀の戦略に奥深さを与え、単なるアガリの追求だけでなく、順位を意識したゲーム運びの重要性を高めます。

順位ウマ

最も一般的なウマは「順位ウマ」です。4人打ち麻雀の場合、一般的には以下のような点数のやり取りが行われます。


1位のプレイヤーは、4位と3位のプレイヤーからそれぞれ一定の点数を受け取ります。2位のプレイヤーは4位のプレイヤーから点数を受け取り、1位のプレイヤーへ支払います。この順位ウマに加えて、トップのプレイヤーには「オカ」と呼ばれる点数が加算されます。オカとウマの合計が、その半荘のトップの成績となります。

フリー雀荘などでは、順位ウマの額は「10-20」や「10-30」といった設定が一般的です。これは、1位と最下位の間で10点、2位と3位の間で20点（または30点）のやり取りが行われることを意味します。まれに「5-15」や「20-60」といった設定の雀荘も存在します。

順位ウマの額が大きくなるほど、局ごとのアガリよりも、ゲーム全体を通して順位を高く保つことの重要性が増します。そのため、より戦略的な打ち回しが求められるようになります。

差しウマ

「差しウマ」は、特定の2人または複数人のプレイヤー間で、ゲーム終了時の着順に応じて点数をやり取りするルールのことです。「握りウマ」「オニギリ」「別横」などとも呼ばれます。差しウマを行うことを「差しウマを握る」と言います。

フリー雀荘では、公平性の観点から差しウマが禁止されていることが多いです。これは、差しウマに参加していないプレイヤーの存在を無視した打ち方をするプレイヤーが現れたり、逆に不参加者のアガリによって差しウマの勝敗が左右されたりするなど、トラブルの原因となる可能性があるためです。

馬身（バシン）

「馬身」は、差しウマの一種で、着順の差によって支払い額を2倍、3倍とするものです。競馬の着差に由来します。通常の差しウマでは着順差に関わらず支払い額は一定ですが、馬身の場合は着順差が大きければ大きいほど、支払い額も増えます。例えば、「馬身2万点」の場合、トップとラスの差は3馬身となり、支払い額は2万点×3馬身=6万点となります。

総ウマ

「総ウマ」は、全てのプレイヤー間で差しウマを行うルールです。「総サシ」と呼ばれることもあります。総ウマは通常の順位ウマとは区別されますが、例えば1万点の総ウマは、実質的にワンスリーの順位ウマと同じ効果を持ちます。したがって、ワンスリーのゲームで1万点の総ウマを握ることは、順位ウマをツーシックスにすることに等しいと言えます。総てのプレイヤー間で馬身の差しウマを握ることを「総馬身」と呼びます。総馬身も、結果的には順位ウマの増額と同じ意味を持ちます。

ビンタ

「ビンタ」も差しウマの一種です。ビンタでは、特定の点数（通常は配給原点）を超えているプレイヤーと、そうでないプレイヤーの間で支払い額が倍になります。この基準となる点数を「クビ」と呼び、基準点を下回ることを「クビが切れる」、上回ることを「クビができる」と言います。

沈みウマ

「沈みウマ」とは、原点（通常は30000点）を基準にして、点数が沈んでいるプレイヤーに課される点数のことです。通常はトップのプレイヤーが総取りします。浮きの2着や3着であれば支払いを免れるため、沈みウマのルールでは30000点を上回ることが重要になります。近年では採用されることが少なくなってきています。三人麻雀ではメジャーなルールであり、通常の順位ウマと併用されることもあります。

外ウマ

「外ウマ」とは、ゲームに参加しない見学者が、任意のプレイヤーに賭けることで発生する点数のやり取りのことです。見学者が特定のプレイヤーに「外ウマに乗る」と宣言した場合、そのプレイヤーが得た点数と同額を、見学者も得ます。逆に、プレイヤーが失った点数と同額を、見学者も失います。また、見学者同士が互いに任意のプレイヤーに賭けて、収支をやり取りするルールもあります。

ウマは麻雀のゲーム性を大きく左右する要素であり、その種類や額によって戦略も大きく変わります。より深く麻雀を楽しむためには、ウマの仕組みを理解しておくことが重要です。

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