ウルムの戦い

ウルムの戦い

ウルムの戦い（ウルムのたたかい）は、ナポレオン・ボナパルトが指揮するフランス帝国軍がオーストリア軍に対して勝利を収めた、1805年10月17日の戦闘です。この戦いはウルム戦役の主要な出来事であり、戦史において非常に重要な意味を持ちます。

背景

1805年8月、オーストリアはロシア、イギリスなどとともに第三次対仏大同盟を結成し、バイエルンに侵攻しました。この状況を受けて、ナポレオンはバイエルン侵攻を決意します。9月23日、彼はフランス軍の先頭に立つことを宣言し、この時からフランス軍は「グラン・ダルメ」と称されることとなりました。

一方で、オーストリア軍はマック将軍の指揮のもと、72,000名がウルム周辺に展開していました。フランス軍とオーストリア軍の間には、両者の優劣を分ける決定的な違いが生まれつつありました。

戦闘の経過

フランス軍は巧妙な戦略を駆使してオーストリア軍の背後を突くことに成功します。10月14日、エルチンゲンでの戦闘では、ネイ率いるフランス軍がオーストリア軍を混乱に陥れ、ウルム近郊へ押し戻しました。翌日、フランス軍はウルム西北の防御位置ミヘルスベルクを占領し、攻撃を仕掛けましたが、城壁に阻まれました。

この時点で、ナポレオンはオーストリア軍に対して降伏を勧告しましたが、マック将軍は頑なに応じませんでした。ナポレオンは焦りを感じ、10月18日に攻撃を開始しました。これを受けて、マックはついに降伏し、ナポレオンに多くの捕虜や戦利品をもたらすこととなりました。

戦後の影響

ウルムの戦いによって、ナポレオンは大きな戦果を上げつつも、その実績には誇張が存在したことが指摘されています。ナポレオンは降伏させたオーストリア軍から、少なくとも25,000人の捕虜と多くの武器を手に入れました。戦闘の後、彼は占領地に対して新たな税金を課すなど、フランス支配を強化しました。

しかし、オーストリア軍の主力は依然として健在であり、ロシアの援軍も近づいていました。ナポレオンは引き続き戦争を続行する決意をし、フランス軍はウィーンに入城することとなります。これにより、ウルムの戦いはナポレオン戦争の重要な節目として記録されました。

重要性

ウルムの戦いは、ナポレオンの指揮下での戦略的勝利の一例として、今なお世界中の士官学校で教えられています。この戦闘におけるナポレオンの機動力と戦術的判断は、後の戦闘においても大いに影響を与えました。ウルム戦役全体は、フランス軍の士気を高め、ナポレオンの軍事的な名声を確立する重要な契機となったのです。

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