ウルリヒ・ベーリンク

ウルリヒ・ベーリンク（Ulrich Wehling）は、1952年7月8日、ドイツ民主共和国（現ドイツ・ザクセン＝アンハルト州）のハレ/ザーレで生まれました。彼は、1970年代にノルディック複合選手として国際的に活躍し、特にオリンピックでの輝かしい成績でその名を知られています。

ベーリンクは、SC Traktor Oberwiesenthalというクラブに所属し、競技生活を送りました。彼の才能は早くから開花し、1971年にはヨーロッパジュニア選手権で優勝を果たし、注目を集めました。

翌1972年の札幌オリンピックで、ベーリンクは金メダルを獲得し、一躍スターダムにのし上がりました。その後も、1976年のインスブルックオリンピック、1980年のレークプラシッドオリンピックと、オリンピック3連覇という偉業を達成しました。これは、ノルディック複合競技において唯一の記録であり、彼の卓越した能力を示すものです。

ベーリンクは、オリンピック以外にも、世界選手権で1974年に金メダル、1978年に銅メダルを獲得するなど、数々の国際大会で好成績を収めました。また、1975年から1979年まで、東ドイツ選手権で5連覇を達成し、国内でも圧倒的な強さを見せつけました。

さらに、ノルウェーの伝統あるホルメンコーレン大会では、1975年、1976年、1977年と3連覇を達成し、1976年にはホルメンコーレン・メダルを受賞しました。これは、彼の功績を称えるものであり、ノルディック複合界における彼の地位を確立するものでした。

競技生活を終えたベーリンクは、ドイツ身体文化大学でスポーツ科学を修了し、その後はスポーツ界の発展に貢献しました。1982年からは東ドイツスキー連盟事務総長を務め、1992年以降は国際スキー連盟（FIS）のノルディック複合部門レースディレクターとして、競技の運営や発展に尽力しています。彼は、2006年のトリノオリンピックや2007年の世界選手権でも同職を務めました。

現在はスイスに在住し、国際スキー連盟での活動を続けています。彼の妻は、リュージュ選手として1976年のインスブルックオリンピックに出場したEva-Maria Wernickeです。

ウルリヒ・ベーリンクは、選手としてだけでなく、スポーツ指導者、管理者としても、ノルディック複合界に多大な貢献をしてきた人物です。彼の功績は、今後も長く語り継がれることでしょう。

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