ウーズレー装甲自動車

ウーズレー装甲自動車について

ウーズレー装甲自動車は、1928年に大日本帝国陸軍に採用された装輪装甲車です。この車両は、東京石川島造船所の自動車部門がライセンス生産していたウーズレーCP型トラックを基にして製造されました。簡易装甲自動車とも言われるこの車両は、しばしば「ARM」と呼ばれる型式名を持っています。

開発の背景

東京石川島造船所は、1918年にウーズレー自動車の生産権を取得し、当時の情勢に応じた軍用自動車の開発を進めていました。特に、第一次世界大戦での需要を受けて、ウーズレーCP型1.5t積みの4輪トラックを自動貨車として製造していました。それに続く1927年、同社はウーズレーとの契約を解除しましたが、翌年にはCP型トラックの車体を装甲で覆った装甲車を発表し、陸軍向けの新しい機種が生まれることとなりました。

設計の詳細

ウーズレー装甲自動車は、ウーズレーCP型トラックの車体に装甲板を取り付けた簡素な構造を持っています。装甲は軽量ながらも機動性を損なわず、装備された機関銃塔により火力も確保されています。固定武装として、三年式機関銃が装備された銃塔が設置されています。また、助手席前面の窓を開けることで、軽機関銃を装着してさらなる火力増強が可能です。タイヤはソリッドゴム製であり、パンクのリスクを軽減したため、舗装道路での運用において有利とされています。

運用実績

この装甲自動車は、主に満州や山東半島に配備され、実戦での運用を重ねました。特に、満州事変の際には、ウーズレー装甲自動車とヴィッカース・クロスレイ装甲車の部隊が編成され、第2師団に配属されました。このように、当初は戦闘において活躍したものの、1935年頃にはその性能が旧式と見なされ始めました。その際、泰平組合が発行した輸出用兵器カタログには、ウーズレー装甲自動車が唯一の装甲車両として掲載されています。

参考文献

• - いすゞ自動車史編纂委員会『いすゞ自動車史』いすゞ自動車株式会社、1957年。
• - 斉藤浩（編）、宗像和弘（本文）『帝国陸海軍の戦闘用車両』デルタ出版、1992年。

外部リンク

• - 日本の自動車技術240選 ウーズレーCP型トラック - 原型車の写真等。
• - Taki's Home Page, Wolseley Armored Car - 写真。

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