ウーマン ラブ ウーマン

『ウーマン・ラブ・ウーマン』(原題:If These Walls Could Talk 2)は、2000年にアメリカで制作されたテレビ映画です。中絶問題をテーマにした前作『スリー・ウーマン この壁が話せたら』(If These Walls Could Talk)の続編として制作され、高い評価を得ています。

本作は、3つの異なる時代の物語からなるオムニバス形式で構成されています。舞台となるのは同じ家ですが、そこに住むレズビアンカップルの物語は時代とともに変化し、それぞれの愛の形、そして社会状況を映し出しています。各エピソードは異なる監督と脚本家によって制作されており、それぞれの個性と視点が作品に深みを与えています。プライムタイム・エミー賞作品賞(テレビ映画部門)にもノミネートされるなど、作品としての完成度も高く評価されています。

第1話は1961年が舞台です。老女イーディスは長年の恋人アビーを亡くし、遺産相続問題に巻き込まれます。アビーとの幸せな日々、そして突然の別れ、そして親族との摩擦。彼女の心の葛藤が丁寧に描かれています。このエピソードには、時代背景を示唆する『噂の二人』の映像が挿入されています。

第2話は1972年が舞台。ウーマン・リブ運動の最中、女子大生リンダと男装の女性エイミーの恋愛物語が展開されます。社会変革の時代を背景に、女性同士の恋愛がどのように受け止められていたのか、そして彼女たちの自由を求める姿が描かれています。リンダの友人たちとの交流を通じて、当時の女性の意識や社会運動の様子も垣間見ることができます。

そして、第3話は2000年が舞台。精子バンクを利用して子供を授かろうとするカップル、フランとカルの物語です。現代社会における同性愛カップルの選択と、子供を持つことの喜びと責任、そして葛藤が描かれています。現代的な技術と、普遍的な愛と家族のテーマが交錯する、本作を締めくくる感動的なエピソードとなっています。

キャスト陣も豪華です。第1話にはヴァネッサ・レッドグレイヴ、マリアン・セルデスなど、ベテラン女優陣が出演。第2話にはミシェル・ウィリアムズ、クロエ・セヴィニーといった個性的な女優たちが登場し、それぞれのキャラクターを魅力的に演じています。そして第3話にはシャロン・ストーン、エレン・デジェネレスといった人気女優が、現代的な同性愛カップルの姿をリアルに演じきっています。

『ウーマン・ラブ・ウーマン』は、単なるラブストーリーにとどまらず、時代を超えた女性たちの愛と葛藤、そして社会の変化を繊細に描き出した、見応えのある作品です。それぞれのエピソードは独立した物語でありながら、全体として一つのテーマを共有し、観る者に深い感動と余韻を残します。3つの異なる時代、異なるカップルの物語を通して、愛の多様性と普遍性を改めて考えさせられる、まさに傑作と言えるでしょう。

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