ウーメラ立入制限区域

ウーメラ立入制限区域

ウーメラ立入制限区域（Woomera Prohibited Area, WPA）は、南オーストラリア州に位置する兵器試験および軍事演習の地域です。この区域はアデレードから北北西に約450キロメートル離れた場所に広がっており、その面積は驚くべき127,000平方キロメートルにも達します。この広さは、イングランド全土や九州に匹敵し、多様な自然景観を背景に抱えていますが、主に不毛の砂漠地帯が広がっています。このため、地域はしばしば「ウーメラ砂漠」とも呼ばれることがあります。

ウーメラ村は、この試験区域での作業に従事する人々のために建設されました。ウーメラ立入制限区域は、オーストラリア国防軍の管理下にあり、主に軍需品や資器材の試験を目的としています。有事の際には、国防当局による厳しい規制が実施され、気象観測用のロケット発射などの特定の活動も制限されることがあります。地域内での行為としては、無許可の写真撮影や絵画、さらには描写が禁止されており、これに違反すると厳格な罰則が科される可能性があります。

この立入制限区域を横断するスチュアート・ハイウェイ（Stuart Highway）は、一般の人々が立入禁止区域に無断で侵入することを防ぐために設けられており、場合によっては道路が封鎖されることもあります。封鎖は通常、数時間にわたって行われ、その際には公共に対して事前に警告が発されます。また、区域内を通る他の道路に関しても標識が設置されており、通行許可証を取得しない限り立ち入ることは禁じられています。

特に、ウーメラ地域内には先住民の文化にとって重要な場所が点在し、これらの場所に損害を与えた場合、高額な罰金が課せられることがあります。加えて、区域内ではロケットの部品や不発弾などの危険物に出くわす可能性があり、こうした物品はむやみに扱うことが禁じられています。発見した場合は、即座にウーメラ区域統制官に報告する必要があります。

日本との関係

ウーメラ立入制限区域と日本との関連も興味深いものがあります。2010年6月13日には、日本の小惑星探査機「はやぶさ」のカプセルがこの地域に着陸するため、スチュアート・ハイウェイのクーバーペディとグレンダンボの間が2時間にわたって封鎖されました。さらに、2020年12月6日にも、「はやぶさ2」から分離されたカプセルがこの区域に着陸しています。

関連項目

マラリンガにおける核爆発実験（ウーメラ立入禁止区域の一部）
ウーメラ (南オーストラリア州)
ニューランガー統合防衛施設
ウーメラ試験場
* ウーメラ飛行場

このように、ウーメラ立入制限区域はオーストラリアの安全保障と科学において重要な役割を果たしており、今後もその動向に注目が集まることが予想されます。

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