エアスピード アンバサダー

エアスピード アンバサダーは、1950年代初頭にイギリスのエアスピード社によって製造された双発レシプロ旅客機です。1947年7月10日に初飛行を行い、1950年代を通じて少数機が運用されました。

開発当時、ヨーロッパの短距離路線では、カーチス・コマンド（軍用輸送機C-46の民間転用機）、ダグラス DC-3、アブロ ランカストリアン、ビッカース ヴァイキングなどが主流でしたが、アンバサダーはこれらの機体と比較して近代的な設計でした。特に目を引くのは、ロッキード コンステレーションを彷彿とさせる3枚の垂直尾翼です。

英国欧州航空（BEA）では、1952年から1958年まで約20機が使用され、ダン・エアーでも運用されました。しかし、バイカウントやロッキード・エレクトラなどの高速ターボプロップ機の登場により、アンバサダーの生産数は限られました。わずかな期間の活躍となりましたが、その存在は航空史に刻まれています。

また、アンバサダーは、1958年に発生した「英国欧州航空ミュンヘン空港オーバーラン事故（ミュンヘン航空惨事）」で、イングランドのサッカークラブ、マンチェスター・ユナイテッドの選手たちが犠牲になった事故を起こした機体としても知られています。

機体概要

• - 全幅: 35.05m
• - 全長: 24.99m
• - 全高: 5.74m
• - エンジン: ブリストル セントーラス 601 × 2
• - 出力: 2,625 ps × 2
• - 乗員: 3名
• - 乗客: 55名
• - 最大離陸重量: 24,947 kg
• - 最大速度: 502 km/h
• - 航続距離: 1,930 km
• - 最高到達高度: 11,000 m

エアスピード アンバサダーは、短い期間ながらもその革新的な設計と、悲劇的な事故によって、航空史にその名を残すこととなった機体です。

もう一度検索