エアゾール式簡易消火具とは？意味をやさしく解説

エアゾール式簡易消火具について

エアゾール式簡易消火具は、スプレー缶の形状を持ち、ノズルを押すと内部の消火剤を噴出できる消火装置です。この消火具は、初期消火に適したもので、家庭内の小規模な火災に特に有効です。たとえば、天ぷら油の火災や石油ストーブの火災などに役立ちますが、消火器の完全な代替にはならないため、その認識が重要です。

機能と作動原理

エアゾール式簡易消火具の消火剤には、液体や粉末が使用されており、容器内に充填されたガスの圧力を利用して消火剤を噴出します。噴出方法には直線や放射状があり、効果的に炎を抑え込むことができます。ただし、あくまで補助的な消火具としての役割を果たすため、大規模な火災には対応できません。

消火剤の種類

消火剤は、主に以下のように分類されます。

- 液体系

- 水＋浸潤剤: リン酸塩や界面活性剤を加え、消火能力を引き上げたものです。
- 強化液: アルカリ金属塩を飽和させたもので、強アルカリ性のため皮膚や目に触れると危険です。
- 機械泡: 噴射時に泡状の薬剤を放出する装置です。

- 粉末系

- 炭酸水素ナトリウムや炭酸水素カリウムを主成分とし、B火災（油）やC火災（電気）に対応します。
- リン酸アンモニウムや硫酸アンモニウムを主成分とするものは、A火災（普通）やB火災（油）、C火災（電気）に適用されます。

外国製の注意点

一部の外国製エアゾール消火具には、日本の規格を満たしていない商品が存在し、不具合が起きる可能性があります。過去に国民生活センターの調査により、特定の外国製品は天ぷら油の火災に使用すると炎が拡大する恐れがあることが指摘されています。また、ハロンを使用した製品には毒性があり、高温環境下で有害物質を発生するリスクもあります。そのため、家庭での使用は非常に危険です。

事故やリコールの報告

2010年には、ヤマトプロテック製のエアゾール消火具が破裂する事故が発生しました。この事故は、内面塗膜の耐薬剤性が悪かったことが原因です。幸運にも重大な被害はありませんでしたが、この事例は注意喚起を要します。

また、2019年にはエア・ウォーター・ゾル株式会社が製造した一部製品に薬剤漏出の不具合が発覚し、115,000本の回収が行われました。

日本における法規制

1982年には消防法告示により、エアゾール式簡易消火具は消火器の検定対象から外されました。その後も規制は強化され、2017年4月以降は適合表示のない製品の販売が禁止されるなど、消火性能が厳しく評価されるようになっています。

具体的には、2014年には消火具の技術的基準が定められ、新しい規制が施行されました。これにより、以前のような「使用期限無し」を謳った製品は市場から姿を消しています。消火効果と安全性を両立させるために、消火具の基準が見直されているのです。

まとめ

エアゾール式簡易消火具は、小規模な火災に対する初期消火に適した道具です。ただし、日本国内で出回っている製品には注意が必要なものもあり、特に外国製品には潜在的な危険が存在します。消火单に関する規制も厳格になっており、これらの製品を選択する際には、法規制や製品の安全性について理解を深めることが大切です。その適切な使用方法を知り、万が一の際に備えることが求められます。

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