エアフィルタ

エアフィルタとは

エアフィルタは、空気中に浮遊する様々な粒子状物質、例えばゴミ、塵埃、花粉などを除去し、より清浄な空気を提供するために設計された装置です。家庭用から産業用まで、幅広い分野で利用されており、私たちの生活環境の質を向上させる上で重要な役割を果たしています。

エアフィルタの種類と用途

エアフィルタは、その用途や対象とする粒子の大きさ、除去効率などによって多岐に分類されます。

エアクリーナー用フィルタ: 自動車や航空機のエンジン、またはその補機に異物が吸入されるのを防ぐために使用されます。ただし、ジェットエンジンには通常、エアフィルタは装備されていません。
エアコン用フィルタ (クリーンエアフィルタ): 自動車のカーエアコンにおける吸気用として利用され、車内の空気環境を改善します。
空気清浄機用フィルタ: 家庭やオフィスなどで使用される空気清浄機に搭載され、室内の空気から微粒子やアレルゲンを除去します。
クリーンルーム用フィルタ: 高度な清浄度が求められる環境、例えば医療機関や食品工場などで使用されます。
粗塵用フィルタ: 主に50μm以上の比較的大きな粒子を対象とし、一般的な空調システムにおけるプレフィルタとして用いられます。
中高性能フィルタ: 25μm以上の粒子を対象とし、粗塵用フィルタよりも高い捕集効率が求められる場合に使用されます。
HEPAフィルタ (High Efficiency Particulate Air Filter): 0.3μm以上の微粒子を99.97%以上の効率で捕集できる高性能フィルタで、病院や食品工場、原子力発電所などで利用されます。放射性物質が付着した塵の除去にも効果を発揮します。
ULPAフィルタ (Ultra Low Penetration Air Filter): HEPAフィルタよりもさらに高い捕集効率を持つフィルタで、半導体製造などの極めて高度な清浄度が要求される環境で使用されます。
ガス除去フィルタ (化学吸着フィルタ): 美術館や博物館における美術品の腐食制御、または半導体や液晶フィルムの製造現場での汚染制御に用いられます。活性アルミナにガス除去成分を吸着させたものが一般的ですが、エアワッシャ方式で水溶性ガスを除去する方法もあります。

性能指標

エアフィルタの性能は、主に以下の指標によって評価されます。

圧力損失: 空気がフィルタを通過する際の抵抗を示します。圧力損失が低いほど、エネルギー効率が良いとされます。
効率 (粉塵捕集率): フィルタが粒子を捕集する能力を示します。高い捕集率ほど、より多くの粒子を除去できることを意味します。

日本の主要エアフィルタメーカー

以下は、日本における主要なエアフィルタメーカーの一覧です (五十音順)。

ケンブリッジフィルターコーポレーション株式会社
日本エアー・フィルター株式会社
株式会社忍足研究所
株式会社東洋紡カンキョーテクノ
日本スピンドル製造株式会社
日本無機株式会社
日本バイリーン株式会社
ニッタ株式会社
パナソニック エコシステムズ大阪株式会社
三菱製紙株式会社
ミドリ安全エア・クリオティ株式会社

日本のガス除去フィルタメーカー

キヤノンマーケティングジャパン株式会社KAEL社ケミカルフィルター
ニッタ株式会社
日本ピュアテック株式会社

関連項目

フィルター
ろ過
砂分離器

エアフィルタは、私たちの生活と産業活動を支える不可欠な技術です。適切なフィルタを選択し、定期的なメンテナンスを行うことで、より安全で快適な環境を維持することができます。

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