エアマルチプライアー

ダイソン エアマルチプライアーとは

ダイソン エアマルチプライアーは、2009年にイギリスのダイソン社によって発表された、羽根が見えない扇風機の製品名であり、その技術の名称です。正式な製品名は「ダイソン AM01 エアマルチプライアー」といい、日本では「AIR MULTIPLIER」として商標登録されています。2010年にはグッドデザイン大賞を受賞しました。

構造と技術

エアマルチプライアーは、外見上は扇風機の外枠のようなリング状をしており、モーターはベース部分に内蔵されています。ベースから吸い込まれた空気は、内蔵された非対称形のインペラによって加速され、リング部分の約1.3mmのスリットから高速で吹き出します。この高速の風が、16度の翼型傾斜を通過する際に円形の気流を生み出し、コアンダ効果によって周囲の空気を巻き込むことで、吸気量の15倍から18倍もの風量を作り出す仕組みです。

ダイソンは、この技術によって従来の羽根付き扇風機に比べて「ムラのないスムーズな風」を送ることができると説明しています。通常の扇風機と同様に、首振りや上下の角度調整も可能です。

現在の状況

2020年現在、エアマルチプライアーは空気清浄機能や暖房機能を搭載した派生機種に発展しており、エアマルチプライヤー自体の製品は絶版となっています。派生機種を含め、床置きタイプのみで、壁掛けタイプや天井設置タイプ、卓上タイプは存在しません。

特許に関する状況

ダイソンはエアマルチプライヤーの特許をイギリス特許庁に出願しましたが、1981年に日本の東京芝浦電気（現在の東芝）から同様のデザインの製品が出願されていたため、特許申請は却下されました。イギリスでは特許の有効期間は最長20年であり、東芝の特許権は既に失効していますが、特許取得における「新規性」の観点から、ダイソン側は「デザインは似ているが技術は異なる」として再度の特許取得を目指しています。

現行製品一覧

以下は、エアマルチプライヤーの現行製品です。

AM01 25cm ホワイト/シルバー
AM01 25cm アイアン/サテンブルー
AM01 30cm ホワイト/シルバー
AM01 30cm アイアン/サテンブルー
AM01 30cm アイアン/マゼンタ（オンラインストア限定）
AM01 30cm シルバー/アイアン（オンラインストア限定）
AM02 タワーファン アイアン/サテンブルー
AM02 タワーファン ホワイト/シルバー
AM02 タワーファン シルバー/シルバー（オンラインストア限定）
AM03 フロアーファン ホワイト/シルバー

関連情報

関連項目
扇風機
コアンダ効果

外部リンク
* ダイソン公式サイトより「エアマルチプライアー」

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