エアロック・エアロバティックチーム

エアロック・エアロバティックチームの歴史

エアロック・エアロバティックチームは、1996年に日本で設立された民間によるアクロバット飛行チームです。日本における職業エアロバティックチームとして、数々のエアショーでその存在感を示しました。設立者は、元航空自衛隊のパイロット、ロック岩崎氏です。

構想から現実へ

ロック氏は自衛隊を退官後、エアショーパイロットになることを志し、1995年に渡米しました。1996年8月、彼はエアロック・エアロバティックチームを設立し、日本の空でエアショーを展開するための準備を整えました。初めてのパフォーマンスは、1996年11月に南紀白浜空港で行われる「スカイレジャージャパン'96」でデビューを果たしました。

活動の拡大

活動が本格化した1997年からは、さまざまな公演に出演し、2000年にはピッツの2機目となるS-2Cを導入しました。2002年からはフォーメーションフライトに挑戦し、チームの演技にさらなる高さを加えました。しかし2003年には、2番機パイロットのノブ次田氏がチームを離れ、ロック氏のソロショーへと変わっていきます。

ロック氏は2004年にインストラクター出身のパイロット、サニー横山氏を新たな2番機パイロットとして迎え入れ、復活を果たしました。同年には通算100回目のショーを達成し、チームの名声は高まりました。

突然の悲劇

しかし、2005年は悲劇的な年となります。同年4月21日、コウノトリ但馬空港での訓練中にロック氏が事故で他界し、S-2Cも大破しました。これはチームにとって非常に大きな損失でした。しかし、その後もサニー横山氏がチーフパイロットとして、防府北基地航空祭で参加を再開しました。

さらなる展開と困難

2008年からは新体制が整い、スタッフも増員され、地上での交流活動やエアロックグッズの販売にも注力しました。国内唯一のプロアクロバットチームとして、全国の航空祭や民間イベントでパフォーマンスを行いました。しかし、2009年のシーズン半ばからは機体の故障により、展示が行えない状況が続きました。

2010年の2月には、使用していたピッツのフレームに重大な問題が発見され、修復には多くの時間と費用がかかることが判明しました。その結果、エアロックというチーム名での活動を継続することが困難と判断され、2010年3月に公式に活動を終了すると発表されました。

新たな始まり

発表の中で、サニー横山氏らチームのスタッフは、新しいエアショーチームとしての活動を模索していく意向を示しています。また、残されたピッツS-2Bは設立当初の塗装に復元され、石川県小松市の航空プラザに展示されています。

以上が、エアロック・エアロバティックチームの歴史とその活動に関する概略です。このチームは日本のアクロバット飛行の先駆者として、その功績が後世に語り継がれることでしょう。

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