エイミー・オルコット

エイミー・オルコット

エイミー・オルコット（Amy Alcott、1956年2月22日 - ）は、ミズーリ州カンザスシティ出身のアメリカ合衆国の元女子プロゴルファーです。LPGAツアーにおいて輝かしいキャリアを築き、メジャー大会5勝を含む通算29勝を挙げました。

経歴

オルコットはジュニア時代から才能を発揮し、1973年には全米女子ジュニアアマチュアゴルフ選手権で優勝を飾りました。その後、1975年に19歳でプロへと転向し、LPGAツアーに参戦します。プロとしての初勝利は、プロ3戦目となるオレンジブロッサム・クラシックで達成しました。この年、彼女はその活躍が認められ、LPGAルーキー・オブ・ザ・イヤーを受賞しました。

キャリアを通じて、オルコットは安定して高いパフォーマンスを維持しました。特に1979年、1980年、1984年にはそれぞれ年間4勝を挙げるなど、複数年にわたって年間最多勝を記録しています。中でも1980年は最も充実したシーズンとなり、年間最少平均スコアのタイトルであるベアトロフィーを獲得しました。この年、彼女は出場した28トーナメントのうち、優勝4回、2位5回、そしてトップ10入りが21回という驚異的な成績を残しています。

メジャー大会での成功

オルコットのメジャー大会での成功は特筆に値します。初のメジャータイトルは、1979年のピーター・ジャクソン・クラシック（後のデュモーリエ・クラシック）でした。翌1980年には全米女子オープンを制覇し、主要タイトルを立て続けに獲得しました。さらに、ナビスコ・ダイナ・ショア大会では、1983年、1988年、1991年と3度の優勝を果たしています。1991年のこの大会での勝利は、彼女にとってLPGAツアーにおける最後の優勝となりました。

このナビスコ・ダイナ・ショア大会（現在のシェブロン選手権）では、現在、優勝者が18番ホールのグリーン脇にある池に飛び込むのが恒例の伝統となっていますが、このパフォーマンスを最初に始めたのがオルコットです。彼女の祝賀方法は、大会の象徴的なシーンとして今日まで受け継がれています。

世界ゴルフ殿堂入り

LPGAツアー通算29勝を挙げたオルコットでしたが、当時の世界ゴルフ殿堂入りの基準であった通算30勝には惜しくも届かず、現役中にその栄誉を得ることはできませんでした。しかし、1999年にLPGAが殿堂入りの選考基準をポイント制に変更した際、オルコットはその新基準を満たしていたため、晴れて世界ゴルフ殿堂入りを果たし、その偉大なキャリアが正式に称えられました。

競技生活引退後

競技生活を引退した後も、オルコットはゴルフ界への貢献を続けています。2001年から2004年まで、彼女がホストを務めるオフィス・ディポ選手権はLPGAツアーの公式戦として開催されました。また、ゴルフコースの設計にも携わるほか、衛星ラジオ番組の司会者としても活動しました。さらに、ゴルフのレッスン本を執筆し、レッスンビデオを製作するなど、指導者や解説者としての顔も持ちます。2007年7月からは、カリフォルニア州ロサンゼルスにあるハーバード・ウェストレイク・スクールで女子ゴルフコーチとして後進の指導にあたっています。

LPGAツアー優勝歴（通算29勝）

1975年：1勝
1976年：2勝
1977年：1勝
1978年：1勝
1979年：ピーター・ジャクソン・クラシックなど4勝
1980年：全米女子オープンなど4勝
1981年：2勝
1982年：1勝
1983年：ナビスコ・ダイナ・ショア大会の1勝
1984年：レディ・キーストン・オープンなど4勝
1985年：ネッスル世界選手権など3勝
1986年：2勝
1988年：ナビスコ・ダイナ・ショア大会の1勝
1989年：1勝
* 1991年：ナビスコ・ダイナ・ショア大会の1勝

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