エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜

エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜：詳細解説

概要

『エイルン・ラストコード 〜架空世界より戦場へ〜』は、東龍乃助氏によるライトノベル作品です。2015年から2019年にかけてMF文庫Jより刊行され、『このライトノベルがすごい！2016』では新作ランキング1位、作品ランキング4位を獲得するなど高い評価を得ました。2019年には、みことあけみ氏によるコミカライズも開始されています。本作は、謎の敵性生物との戦いを軸に、異世界転移、巨大兵器、特殊能力者など、多様な要素が複雑に絡み合う物語です。

物語の舞台

舞台は西暦2070年。人類は、1999年の出現以降、謎の敵性生物「マリス」との戦いを続けています。マリスは人間の捕食を目的とし、高度な知能を持ち、進化した種は強力な攻撃能力を有しています。人類は、マリスに対抗できる巨大兵器「ネイバー」や、特殊能力を持つ人間「ヘキサ」を用いて抵抗を試みていますが、抜本的な解決策は見つかっていません。

物語の中心となるのは、日本にある第二ヘキサ保管領「第弐富士」です。人口7万人の巨大な人工浮島であり、ヘキサとその家族、自衛隊員などが暮らしています。この島には、ヘキサ育成とマリスとの戦闘を専門とする軍事学校「氷室義塾」も存在します。

主要登場人物

エイルン＝バザット / 氷室 夏樹: もう一つの世界から愛機「エルフィーナ」と共に転移してきた18歳の少年。高い身体能力と、感情の高ぶりによって能力がさらに増幅する特殊な体質を持っています。
セレンティーナ＝エングヴィス: 15歳のネイバーフッド（ネイバーを操縦できる特殊なヘキサ）。寡黙で、独自の言葉遣いをする、複雑な過去を持つ少女です。ネイバー「デストブルム」のパイロットを務めています。
一ノ瀬 葵: 17歳のヘキサで、氷室義塾機兵部の部長。姉御肌で現場主義的な性格です。「テンナンバー」の一人でもあります。
九重 紫貴: 18歳のヘキサで、氷室義塾生途会会長。アニメオタクの側面を持つ、頭脳明晰な少女です。「テンナンバー」の一人でもあります。
陽葉 茜: IQ190の天才少女（12歳）。「テンナンバー」の一人であり、高い作戦立案能力を持っていましたが、過去のある出来事から食堂勤務をしています。
氷室 雷鳥: 氷室義塾の塾長であり、氷室財閥の総帥。ヘキサの人権擁護に尽力する人物です。

その他の重要な要素

マリス: 敵性生物。幼生体、成長体（標準型）、成熟体（クイーン）など、様々な形態が存在します。クイーンは強力な「IME（無差別物質消去）」攻撃を有します。
ヘキサ: マリスに優先的に狙われる人間。身体能力や知力などが強化される一方で、人権弾圧を受けるなど厳しい境遇にあります。
ネイバー: マリスのクイーン種を撃破可能な巨大兵器。謎の多い存在であり、ネイバーフッドと呼ばれる特殊なヘキサのみが操縦可能です。
ドール・ワルツ・レクイエム: 作中世界で人気を博すアニメ。その制作経緯には謎が多く、物語に重要な役割を果たします。
エルフィーナ: エイルンが操縦する、もう一つの世界から来た機動兵器。高い戦闘能力を誇ります。
デストブルム: セレンが操縦するネイバー。事故を起こした過去があり、物語に大きな影響を与えます。
明星: 結城武蔵が操縦するネイバー。半世紀以上に渡り戦い続けてきた英雄的な存在です。
戦騎装: 人型機動兵器。マリスとの戦闘において重要な戦力となっています。様々なタイプが存在し、ヘキサの能力と連携して運用されます。

作品の魅力

『エイルン・ラストコード』は、緻密に作り込まれた世界観、魅力的なキャラクター、そして迫力ある戦闘シーンが魅力の作品です。異世界転移という要素や、アニメとの繋がり、そして複雑な人間関係など、多くの要素が複雑に絡み合い、読者を飽きさせません。また、マリスという敵性生物の存在を通して、人類の弱さと強さ、そして希望を描いています。

その他

本作は、複数のイラストレーターが参加しており、キャラクターデザイン、メカデザインともに高いクオリティを誇ります。小説だけでなく、コミカライズも展開されており、より広い層に楽しまれています。

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