エキセドル・フォルモ

エキセドル・フォルモ（Exsedol Folmo, Exedol Folmo）は、1982年から1983年にかけて放映されたテレビアニメ『超時空要塞マクロス』、およびその派生作品群である「マクロスシリーズ」に登場する架空の人物です。声優は大林隆介氏が担当しています（『マクロス7』放映当時は「大林隆之介」名義）。

概要

エキセドルは、西暦2009年から2012年を舞台とする『超時空要塞マクロス』の第1話から登場します。地球人の敵である巨人異星人勢力「ゼントラーディ軍」において、地球と最初に接触する艦隊を率いるブリタイ・クリダニクの部下であり、記憶力と作戦立案能力に優れた「記録参謀」という役職に就いています。

作戦立案を通じて主人公たちが乗る宇宙戦艦マクロスを幾度となく窮地に追い込む一方、地球人が持つ文化に関心を抱き、後にマクロスとの停戦交渉を担い、戦後も地球側に貢献します。

テレビ版の設定を再構成した劇場版『超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか』（1984年公開）では、エキセドル4970という名前（製造番号）で、ブリタイ7018の記録参謀を務めます。

2037年を舞台とするOVA『超時空要塞マクロスII -LOVERS AGAIN-』へと繋がるゲーム『超時空要塞マクロス永遠のラヴソング』（1992年発売）にもブリタイと共に登場し、この作品では声を田中和実氏が担当しています。

2045年を舞台とするテレビアニメ『マクロス7』（1994 - 1995年放映）では、物語の舞台となるマクロス7船団の船団長であり、超大型可変万能ステルス宇宙攻撃空母バトル7の艦長であるマクシミリアン・ジーナス（マックス）の元で参謀を務めます。以降のシリーズでも設定や漫画・小説などの作品でしばしば言及され、2068年を舞台とするアニメ映画『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』（2021年公開）では、マックスが艦長を務める星間複合企業体ケイオス所属艦マクロス・ギガシオンの参謀として登場します。

外見

テレビ版『超時空要塞マクロス』と劇場版『超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか』では、ゼントラーディの外見デザインに大きな変更が加えられています。テレビ版では地球人と同様の体型で褐色の肌に赤い髪という外見でしたが、『愛・おぼえていますか』では体が緑色で、頭部は脳が肥大化し脈打ったような形状、両腕は触手状になっています。

『マクロス7』におけるエキセドルの外見は、おおむね『愛・おぼえていますか』のデザインを引き継いでおり、これ以降の作品でも同様の特徴で描かれています。

これは『マクロス7』以降のシリーズ作品が『愛・おぼえていますか』の内容を作品世界における「史実」としているわけではなく、『愛・おぼえていますか』は作品世界内で公開された映画と設定されており、作品世界における年表内の出来事はテレビ版『マクロス』の内容に沿ったものになっています。

設定・経歴

『超時空要塞マクロス』時代

テレビ版

ゼントラーディ軍のゼム一級記録参謀として、第67グリマル級分岐艦隊司令ブリタイ・クリダニクを補佐し、各種作戦を立案します。戦闘種族であるゼントラーディ人のなかにおいて、戦闘能力は低いものの知能や記憶力が高く、様々な知識を有しています。ブリタイに比べて背が低く、痩せて骨張った顔つきが特徴です。

地球の文化に対して強い興味を持ち、第一次星間大戦の末期、ブリタイが停戦を決断した際には自らマイクローン化してマクロスに停戦交渉に赴きます。交渉の席では、停戦のきっかけとなったリン・ミンメイを呼び出してもらうために彼女の持ち歌である「私の彼はパイロット」を振り付けもつけながら音程を外して歌います。

最終的には上官であるブリタイと共にボドル基幹艦隊総司令ボドルザーに反逆し、統合軍側に基幹艦隊の情報と効果的な戦術案を提供します。戦後もマイクローンのまま新統合政府に残り、大戦により人材不足がちな新統合政府の貴重な人材として復興に貢献します。彼の持つ知識やゼントラーディ側の情報、統合軍と協力して行った分析結果は、ゼントラーディとの共存、混血化が進む人類の指南書となります。

劇場版

劇場版『超時空要塞マクロス愛・おぼえていますか』では、ゼントラーディ軍第425基幹艦隊所属のブリタイ7018アドクラス艦隊の記録参謀として登場。テレビ版とは異なり、マイクローン化はせず、最後までブリタイの側に付き従います。

『マクロス7』時代

『マクロス7』では、「マイクローン化すると脳の記憶容量が落ちる」と考え、元の大きさに戻り、参謀・オブザーバーとして2038年に出航したマクロス7船団に乗り込みます。出航以来、船団旗艦マクロス7の戦闘区画となる超大型可変万能ステルス宇宙攻撃空母「バトル7」から一歩も外に出ず、艦長席の左手にある穴から顔だけを出し、艦長であるマクシミリアン・ジーナス（マックス）を補佐します。

2045年のバロータ戦役においては、蓄積された膨大な知識から敵の正体にいち早く気付きますが、敵機体が地球人タイプであることから考え直します。戦闘においては、マックスが自身で作戦立案を行うため、積極的に作戦立案に関与することは少なく、諦念を表現する場面も多く見られます。後に敵の正体がゼントラーディ人にとって恐怖の存在であるプロトデビルンだと確信し、一時ブリッジに顔を出すことすらままならないほどの怯えを見せます。未開拓惑星ラクスでプロトカルチャーの遺跡が発見された際には自ら調査に赴き資料を回収し、研究実験艦アインシュタインで分析を行い、プロトデビルンに関する情報を解読します。

テレビ未放映エピソード「最強女の艦隊」では、遭遇したゼントラーディ残存艦隊（クロレ艦隊）に対し、妻であるミリア・ファリーナ・ジーナス市長と共に和平交渉に赴いたマックスの代理を務め、地球統合軍本部高官による殲滅命令に従うふりをして主砲マクロス・キャノンを見当違いの方向に発射する指示を出し、戦闘を回避するという機転を見せます。

『マクロスF』時代

2059年の世界を描いた『マクロスF』では、劇中でエキセドルの存在に触れられることはありませんが、同作品の舞台であるマクロス・フロンティア船団におけるゼントラーディの巨人とマイクローンが共存するショッピングモールが「フォルモ (Formo) 」と名付けられており、エキセドルにちなんだ命名であるとされています。

『マクロスΔ』時代

2068年を舞台とする『劇場版マクロスΔ 絶対LIVE!!!!!!』においては、マックスが艦長を務めるケイオス・リスタニア支部所属の艦「マクロス・ギガシオン」の参謀として登場します。

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