エスタジオ・ド・マラカナン

エスタジオ・ジョルナリスタ・ド・マリオ・フィーリョ (マラカナンスタジアム)

ブラジル・リオデジャネイロに位置するエスタジオ・ジョルナリスタ・ド・マリオ・フィーリョ、通称マラカナンスタジアムは、世界最大級のサッカー施設として知られています。1950年のFIFAワールドカップブラジル大会の主会場でもあり、このスタジアムでは著名な「マラカナンの悲劇」が起こりました。これはブラジル代表がウルグアイに逆転負けした試合のことを指し、ブラジルサッカー界に深い影を落としました。

その後、マラカナンはリオデジャネイロのクラブチーム、CRフラメンゴの本拠地として利用され続けています。このスタジアムで公式戦を戦ったジーコ選手は、333得点という未だに破られていない記録を保持しています。スタジアムの正面入り口には、彼を含む歴代の名選手たちの写真が掲示されており、サッカーファンにはたまらないスポットとなっています。

マラカナンの収容人数は、元々は20万人を超えていましたが、1992年のスタンド落下事故を契機に大幅に減少しました。現在は約8万人が収容可能で、スタジアム内は全席椅子席に改装されています。スタジアムの記念すべき50周年を祝うため、2000年に名選手たちの足形が正面入口の床に飾られています。

過去には、スタジアム内に公衆電話が設置されており、選手たちが得点を知らせるために使用したというエピソードもあります。しかし、試合中の電話利用が禁止された結果、これらの電話は撤去されました。2007年には改修工事が行われ、スタジアムの環境が改善されています。

近年では、2014年のFIFAワールドカップ決勝や、2016年のリオデジャネイロオリンピックの開会式と閉会式がここで行われました。特に、オリンピックではサッカー競技も行われ、サッカー専用競技場がメインスタジアムとして利用されるのは初の試みでした。

2016年のリオデジャネイロオリンピックでは、男子サッカーの決勝戦が行われ、ブラジルとドイツが激闘を繰り広げました。ネイマールのフリーキックとドイツの追撃により、試合はPK戦に突入し、ブラジルが勝利を収めた際には「マラカナンの歓喜」と称され、マラカナンの悲劇に終止符が打たれました。

一方で、スタジアムの管理問題も報告されています。2017年には経営体制の不備から内部が荒廃し、芝生の状態が悪化したことが指摘され、多くの施設が盗難にも遭いました。しかし、その後の復旧作業により、現在もリーグ戦や国際大会で使われ続けています。

マラカナンはサッカーにとどまらず、音楽イベントや格闘技など様々なイベントでも利用されてきました。例えば、1980年にはフランク・シナトラのライブで18万人を動員し、1983年のキッスのパフォーマンスでは25万人もの観客を集めました。また、2020年には新型コロナウイルスの影響で仮設病院が設置されたこともあり、様々な利用形態が見られました。

このように、エスタジオ・ジョルナリスタ・ド・マリオ・フィーリョ（マラカナンスタジアム）は、ブラジルサッカーの聖地であり、多くの歴史的瞬間を共有してきた場所なのです。

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