エスタディオ・アノエタ

エスタディオ・アノエタ（レアレ・アレーナ）は、スペインのバスク自治州ギプスコア県サン・セバスティアンに位置する多目的スタジアムです。主にレアル・ソシエダのホームスタジアムとして利用され、サッカーの試合が頻繁に開催されます。収容人数は39,313人です。

歴史

1993年に開場したこのスタジアムは、サン・セバスティアン市が所有しています。開場当初は陸上トラックが併設されていましたが、これが観客席とピッチの距離を遠ざけ、試合の雰囲気を損なう要因となっていました。そのため、サポーターからはスタジアムの改修を求める声が上がっていました。

2004年、当時のレアル・ソシエダ会長であったホセ・ルイス・アスティアサランは、収容人数を42,000人に増加させ、陸上トラックを撤去する「ギプスコアレナ」と呼ばれる計画を提案しました。この計画には、ホテルやショップなどの建設も含まれていましたが、サン・セバスティアン市議会によって否認されました。

その後も、2007年末に会長候補であったイニャキ・バディオラがスタジアムの買収を提案しましたが、これも市議会に却下されました。2008年に会長に就任したバディオラは、再びスタジアム改修案を提示しましたが、市議会の承認を得られず、彼は会長を退任しました。後任のホキン・アペリバイ会長も新たな改修計画を打ち出しました。

サッカー専用スタジアムへの改修

長年の議論と計画を経て、ついに陸上トラックの撤去を含む大規模な改修工事が行われ、2019-20シーズン途中にサッカー専用スタジアムとして生まれ変わりました。これにより、観客席とピッチの距離が大幅に縮まり、臨場感あふれる観戦体験が提供されるようになりました。

FCバルセロナとの因縁

エスタディオ・アノエタは、FCバルセロナにとって鬼門として知られていました。2007年から2017年までの10年間、バルセロナはこのスタジアムで勝利を挙げることができませんでした。この間、数々の名勝負が繰り広げられ、多くのサッカーファンを魅了しました。

現在のエスタディオ・アノエタ

改修後、エスタディオ・アノエタはモダンで快適なスタジアムへと進化しました。レアル・ソシエダのサポーターだけでなく、多くのサッカーファンにとって魅力的な観戦スポットとなっています。また、2009-10シーズン以降、フランスのラグビーチームであるビアリッツ・オランピックとアヴィロン・バイヨネが、ハイネケンカップのホームゲームをこのスタジアムで開催することもあります。

まとめ

エスタディオ・アノエタは、その長い歴史の中で様々な変遷を遂げてきました。陸上トラックの撤去、サッカー専用スタジアムへの改修を経て、現在はレアル・ソシエダの象徴として、そしてサン・セバスティアンのランドマークとして、多くの人々に愛されています。

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