エセル・キャサーウッド

エセル・キャサーウッド：初代女子走高跳女王の軌跡

エセル・キャサーウッド（Ethel Mary Catherwood、1908年4月28日 - 1987年9月26日）は、カナダの陸上競技界に名を残す伝説的な選手です。彼女は、1928年アムステルダムオリンピックの女子走高跳で金メダルを獲得し、初代女王として歴史に名を刻みました。

幼少期から才能を開花

キャサーウッドは、カナダのオンタリオ州ハルディマンド郡で生まれ、その後サスカチュワン州サスカトゥーンで育ちました。幼い頃から運動神経抜群で、野球、バスケットボール、陸上競技など、様々なスポーツで才能を発揮しました。特に走高跳では目覚ましい成長を見せ、1926年にはサスカトゥーン市の競技会でカナダタイ記録を樹立。同年9月6日には、1.58mの世界新記録を打ち立て、その名を世界に知らしめました。

オリンピックでの輝かしい金メダル

1928年アムステルダムオリンピックは、女性が初めて陸上競技に参加できる歴史的な大会でした。キャサーウッドは、カナダ代表の女子選手として出場し、走高跳で1.59mの世界新記録を樹立して見事金メダルを獲得しました。その圧倒的なパフォーマンスは、世界中の注目を集めました。

オリンピックでは、彼女の卓越した身体能力に加え、その美貌も話題となりました。「サスカトゥーンのゆり」という愛称で親しまれ、ニューヨーク・タイムズの記者からは「オリンピックで最も可愛らしい女性」と称賛されるほどでした。

カナダスポーツ殿堂入りとその後

女子走高跳初代チャンピオンという栄誉に輝いたキャサーウッドは、カナダに帰国後、映画出演のオファーを断り、実業家の道へ進みました。その後、アメリカのカリフォルニア州に移住し、1987年に79歳で生涯を閉じました。

彼女の功績は、カナダのスポーツ史に深く刻まれています。キャサーウッド以降、陸上競技の個人種目で金メダルを獲得したカナダの女子選手は現れていません。1955年には、カナダスポーツ殿堂入りを果たし、その偉業が改めて称えられました。

エセル・キャサーウッドは、カナダのスポーツ界における女性の地位向上に貢献したパイオニアであり、今もなお多くの人々に勇気と希望を与え続けています。

エセル・キャサーウッド - Olympedia（英語）

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