エターナル (女性グループ)

エターナル (Eternal)

エターナルは、1990年代にイギリスで結成され、R&Bグループとして大きな成功を収めた女性音楽グループです。その活動は、当時のブリティッシュR&Bシーンに新たな風を吹き込み、国内外で多くのファンを獲得しました。

グループは当初、ヴァーニー・ベネット、エスター・ベネットの姉妹、そしてケリー・ブライアンという3名の黒人メンバーに、後にソロアーティストとしてもその才能を開花させる白人メンバー、ルイーズ・ナーディングを加えた計4名で始動しました。多様なルーツと個性が融合した彼女たちのハーモニーは、デビュー当初から注目を集めました。

デビュー後、彼女たちは瞬く間に人気グループとしての地位を確立しました。「ステイ」や「ジャスト・ア・ステップ・フロム・ヘヴン」といったシングルは、母国イギリスだけでなく、遠く離れた日本においてもヒットチャートを賑わせ、その名を広く知らしめることとなりました。特に日本では、本国と並ぶほどの人気を博し、来日公演なども実現しています。

しかし、グループの歩みは常に平坦ではありませんでした。1995年には、初期メンバーであったルイーズ・ナーディングがソロ活動に専念するためにグループを脱退します。3人体制となったエターナルですが、その勢いは衰えることなく、「パワー・オブ・ア・ウーマン」といった力強いメッセージを持つ楽曲をヒットさせ、グループとしての成熟度を見せつけました。さらに、1998年にはケリー・ブライアンもグループを離れることとなり、活動はヴァーニーとエスターのベネット姉妹の2人体制へと移行します。姉妹はその後も活動を続けましたが、残念ながら2000年にエターナルは一旦解散することとなりました。

解散後、メンバーはそれぞれの道を歩みますが、エターナルの楽曲は90年代R&Bの名曲として多くの人々に愛され続けました。そして長い沈黙を経て、2013年、イギリスのメディアで彼女たちの再結成の可能性が報じられ、ファンの間で大きな期待が寄せられました。この報道は現実となり、翌2014年にはルイーズを除く初期メンバー3名（ヴァーニー、エスター、ケリー）による再結成が正式に発表されました。再始動後、彼女たちは同年3月にロンドンの名門会場であるハマースミス・アポロで再結成コンサートを開催し、多くのファンが駆けつけました。この記念すべきステージでは、ヒット曲「I Wanna Be the Only One」でアメリカのゴスペルシンガー、ビービー・ワイナンズとの共演も実現し、往年の輝きを再び見せつけました。

エターナルのディスコグラフィには、数々のヒット作が含まれています。

スタジオ・アルバム

『オールウェイズ&フォーエヴァー』 - Always & Forever (1993年、EMI)
『パワー・オブ・ア・ウーマン』 - Power of a Woman (1995年、EMI)
『ビフォア・ザ・レイン』 - Before the Rain (1997年、EMI)
『エターナル』 - Eternal (1999年、EMI)

コンピレーション・アルバム/EP

『スーパー・ヒッツ』 - A Platinum Celebration (1995年、EMI)
『Who Are You?』 - Who Are You? (1996年、1st Avenue/EMI) ※EP
『グレイテスト・ヒッツ』 - Greatest Hits (1997年、EMI)
『ザ・グレイテスト』 - The Greatest (1998年、EMI) ※日本のみ
Stay – The Essential Eternal Collection (2001年、EMI)
Now & Forever (2002年、Disky)
『スーパー・ベスト』 - Essential Eternal (2002年、EMI Gold)

主なシングル

「ステイ」 - "Stay" (1993年)
"Save Our Love" (1994年)
「ジャスト・ア・ステップ・フロム・ヘヴン」 - "Just a Step from Heaven" (1994年)
"So Good" (1994年)
"Oh Baby I..." (1994年)
"Crazy" (1994年)
「パワー・オブ・ア・ウーマン」 - "Power of a Woman" (1995年)
"I Am Blessed" (1995年)
"Good Thing" (1996年)
「フー・アー・ユー」 - "Who Are You?" (1996年)
"Someday" (1996年) ※映画『ノートルダムの鐘』サウンドトラック英国盤
"Secrets" (1996年)
「ファイナリー」 - "Finally" (1997年) ※日本のみ
「シンク・アバウト・ミー」 - "Think About Me" (1997年) ※日本のみ
"Don't You Love Me" (1997年)
"I Wanna Be the Only One" (1997年) ※featuring ビービー・ワイナンズ
"The Megamix" (1997年)
「エンジェル・オブ・マイン」 - "Angel of Mine" (1997年)
「ワッチャ・ゴナ・ドゥ」 - "What'cha Gonna Do" (1999年)

メンバーの脱退や解散といった波乱を経ながらも、エターナルは90年代ブリティッシュR&Bシーンにおいて確固たる足跡を残しました。特にイギリスと日本での人気は特筆すべきものであり、彼女たちの洗練されたサウンドとパワフルな歌声は、今もなお多くの音楽ファンに記憶されています。短期間ながらも再結成が実現したことは、彼女たちの楽曲が持つ普遍的な魅力と、ファンの根強い支持の証と言えるでしょう。

もう一度検索