エダホシムシ属

エダホシムシ属について

エダホシムシ属（Themiste）は、星口動物門に属するスジホシムシ綱の一部として知られ、その中でフクロホシムシ目の唯一の属です。この属の特徴は、触手の主軸からさらに分岐した副枝を持つ点です。スジホシムシ綱の動物たちは、触手が口を取り囲む構造を持つことで知られていますが、エダホシムシ科の特徴として、体壁の筋肉のうち縦筋が分離していないことが挙げられ、このためフクロホシムシ目に分類されます。フクロホシムシ目には他に2つの科が存在しますが、エダホシムシ科は触手が枝分かれする唯一の科となっています。

亜属の分類

エダホシムシ属は2つの亜属に細分され、これらは主に収縮管に生える柔毛の特徴に基づいて識別されます。2012年に発表された分子系統学に基づく研究では、本属はフクロホシムシ科に再分類され、エダホシムシ科は存在しないことが示されました。以下に、各亜属の特徴について詳しく見ていきましょう。

クビワエダホシムシ亜属

クビワエダホシムシ亜属（Lagenopsis）は、短い柔毛を持ち、指のような外観が特徴です。収縮管に生える柔毛が独特の形状をしているため、他の属との識別に役立っています。具体的な種としては次のようなものがあります:

• - Themiste (Lagenopsis) cymodoceae (Edmonds, 1956)
• - Themiste (Lagenopsis) dehamata (Kesteven, 1903)
• - Themiste (Lagenopsis) lageniformis (Baird, 1868) - クビワエダホシムシ
• - Themiste (Lagenopsis) minor (Ikeda, 1904)
• - Themiste (Lagenopsis) minor huttoni (Benham, 1903)
• - Themiste (Lagenopsis) minor minor (Ikeda, 1904) - カギエダホシムシ
• - Themiste (Lagenopsis) spinulum (Chen, 1963)
• - Themiste (Lagenopsis) variospinosa (Edmonds, 1980)

エダホシムシ亜属

一方、エダホシムシ亜属（Themiste）の特徴として、収縮管に生える柔毛が長く、糸のような形状をしています。これにより、クビワエダホシムシ属との明確な違いが見られます。この亜属の主な種には、以下のものがあります:

• - Themiste (Themiste) alutacea (Grube, 1858)
• - Themiste (Themiste) blanda (Selenka & de Man, 1883) - エダホシムシ
• - Themiste (Themiste) dyscrita (Fisher, 1952)
• - Themiste (Themiste) hennahi (Gray, 1828)
• - Themiste (Themiste) pyroides (Chamberlin, 1919) - ムツデホシムシ

このように、エダホシムシ属は多様な種によって構成されており、それぞれにユニークな特徴があります。生息環境は海洋であり、その他の星口動物と同様に、その生態系において重要な位置を占めています。分類や特性についての理解は、エダホシムシ属とその生態学的役割を理解する上で不可欠であり、今後の研究によってさらなる知見が得られることが期待されています。

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