エックス線作業主任者

エックス線作業主任者とは

エックス線作業主任者は、日本の労働安全衛生法に定められた作業主任者の一つです。この資格は、エックス線を使用する事業所において、放射線による労働災害を防止するために不可欠な役割を担います。

資格の概要

エックス線作業主任者は、都道府県労働局長から免許を交付された者の中から、事業者が選任します。この資格は、医療目的以外（例えば、鋳物などの非破壊検査）で、1MeV未満のエックス線を使用する事業所において、労働者の中から選任することが義務付けられています。

資格制度の変遷

1965年（昭和40年）に制度が設けられた当初は、講習を受講することで資格を取得することができました。しかし、1972年（昭和47年）に電離放射線障害防止規則が制定されたことに伴い、講習制度は廃止され、免許試験制度が開始されました。これにより、より専門的な知識と技能が求められるようになりました。

免許取得の要件

エックス線作業主任者の免許を受けるためには、以下のいずれかの要件を満たす必要があります。満18歳以上であることが前提です。

1. エックス線作業主任者免許試験に合格した者
2. 診療放射線技師の免許を有する者
3. 原子炉主任技術者の免状を有する者
4. 第一種放射線取扱主任者の免状を有する者

免許の交付は、試験合格者は東京労働局長に、その他の該当者は住所または勤務地を管轄する都道府県労働局長に対して申請を行います。

免許試験について

試験の実施

免許試験は、安全衛生技術センターで定期的に実施されます（各センターで年3～6回）。受験資格には、学歴、実務経験、年齢による制限はありません。

試験科目

試験科目は以下の4つです。

1. エックス線の管理に関する知識
2. エックス線の測定に関する知識
3. エックス線の生体に与える影響に関する知識
4. 関係法令

各科目10問で、合格基準は、全科目合計で6割以上、かつ各科目で4割以上を正解することです。

試験時間

試験は、午前と午後の2部に分かれて実施され、午前中に1と4、午後に2と3の科目をまとめて解答します。ただし、2021年6月1日以降、安全衛生技術センターでの試験は4科目をまとめて4時間で実施されるようになりました。

試験科目の一部免除

以下の資格を持つ者は、申請により試験科目の一部が免除され、試験時間が短縮されます。

第二種放射線取扱主任者の免状を有する者: 2と3の科目が免除
ガンマ線透過写真撮影作業主任者免許試験に合格した者: 3の科目が免除

関連資格

エックス線作業主任者に関連する資格として、以下のものがあります。

放射線取扱主任者
ガンマ線透過写真撮影作業主任者
エックス線等透過写真撮影者

これらの資格は、放射線を取り扱うさまざまな分野で専門性を証明するものです。

外部リンク

安全衛生技術試験協会

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