エドゥアール・モルティエ

エドゥアール・アドルフ・カジミール・モルティエの生涯

フランスの軍人エドゥアール・アドルフ・カジミール・モルティエ（Édouard Adolphe Casimir Joseph Mortier）は、1768年2月13日にカトー＝カンブレジで生まれました。彼の軍歴はフランス革命戦争にさかのぼり、1791年に陸軍に入隊したことから始まります。彼は1792年と1793年における戦闘で、フランス北東国境及びネーデルラントでの戦闘に参加し、勇敢に戦ったことで脚光を浴びました。

その後も彼はマース川やライン川方面での戦いに従事し、1799年には旅団将軍に昇進、同年中に師団将軍まで昇進しました。このように彼は軍の主力となり、戦場での活躍を重ねていきました。特に1803年のハノーファー選帝侯領侵攻においては、その功績によってナポレオン・ボナパルトによりフランス元帥に叙されています。

続く1805年のウルム戦役でも、モルティエは大陸軍の一軍団を指揮し、デュルンシュタインの戦いで著名な戦功を挙げました。1806年にはハノーファーおよびドイツ北西部での戦闘を経て、1807年のフリートラント戦役にも参加するなど、彼の軍歴は常に第一線での戦闘と共にありました。

1808年にはトレヴィゾ公爵に叙され、直後に半島戦争に参戦することとなります。この際、モルティエはマドリードの再占領に貢献し、特に1809年11月にはオカーニャの戦いでの勝利もほぼ確実なものとしました。

1812年から1813年には皇帝親衛隊の新参親衛隊司令官としての役割を担った後、1814年の第六次対仏大同盟戦争においては後衛部隊を指揮しました。1815年に訪れた百日天下では、フランス王ルイ18世の退位後、再びナポレオンのもとに仕官しましたが、ワーテルローの戦いには病気のため参戦できなかったのは、彼にとって不運でした。

その後の第二次王政復古時代には一時的に失脚するものの、1819年に貴族院議員に復帰し、1825年には聖霊勲章を受章します。また、1830年から1831年にかけては在ロシアフランス大使を務め、その後の1834年には首相兼陸軍大臣に任命されました。

しかし、1835年7月28日、モルティエは国王ルイ・フィリップ1世と共に閲兵式に出席している際、テロリストによる暗殺事件に巻き込まれました。コルシカ出身の革命家ジュゼッペ・マルコ・フィエスキが、タンプル大通り50番地の家から仕掛けた25挺の小銃の一斉発射によって、彼は命を落としました。この暗殺は、当時のフランス社会に大きな衝撃を与える事件となりました。

特に1827年1月24日の出来事は興味深いものでした。オーストリアの外交官アントワーヌ・アポニーが主催した着任パーティーにおいて、モルティエを含む幾人かの公爵たちがメッテルニヒの指示を受けて地名に由来する爵位を省略され、無礼な扱いを受けたことが、パリ市民の怒りを引き起こすこととなります。このように、彼の生涯は軍人としての栄光と政治的な苦悩が交錯したものでした。

もう一度検索