エドワード・キング・ハウス

エドワード・キング・ハウス



エドワード・キング・ハウスは、アメリカ・ロードアイランド州のニューポート市に位置する歴史的な邸宅で、建築家リチャード・アップジョンによって設計されました。建物の建設は1845年から1847年に行われ、イタリアン・ヴィラ様式の初期の代表的事例となっています。この邸宅は、旧中国貿易、特に広東貿易を通じて成功を収めたエドワード・キングのために建てられました。

エドワード・キングは、1860年にはニューポート市最大の土地を所有している人物であり、その経歴はこの建物にも色濃く反映されています。デザインとしては、ネオクラシカルな要素が見られつつも、一般的なアメリカの建築様式とは異なり、イタリアの影響を強く受けています。特に、建物は煉瓦造りで、アーチ型の窓が随所に設けられ、左右対称ではなく、独特の美しさを醸し出しています。さらに、建物の目を引く特徴として、3階建ての塔屋があります。

この邸宅は、イタリアン・ヴィラのスタイルを採用した初期の優れた例として、アンドリュー・ジャクソン・ダウニングにより1850年に発表された著書『The Architecture of Country Houses(カントリー・ハウスの建築)』にも取り上げられています。彼の著書には、エドワード・キング・ハウスの詳細な間取り図エングレービングが含まれており、ダウニングはこの建物を「合衆国におけるイタリア様式の最も成功した作例」と評価しました。彼は特に、さまざまな形状と大きさの窓や全体のデザインの調和に言及しています。

1912年には、エドワード・キングの息子がこの邸宅をニューポート市に寄贈することになり、以降はニューポート公共図書館として利用されるようになりました。現在、この場所は「The Newport Senior Center at the Edward King House」として知られる高齢者支援施設に転用されています。

エドワード・キング・ハウスは、1970年アメリカ合衆国の国家歴史登録財(NRHP)として認定され、同年12月にはアメリカ国定歴史建造物(NHL)としても登録されました。また、アラバマ州マリオンには、アップジョンが後に設計した対照的な建物であるケンワージー・ホールがあり、こちらも国定歴史建造物として認識されています。

参考情報



このように、エドワード・キング・ハウスはその歴史的価値から、地域における文化的遺産として重視され、観光名所となっています。

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