エピフォン・カジノ (Epiphone Casino)
エピフォン・カジノは、
1961年に
エピフォン社がギブソン社に買収された後に、ギブソンが
エピフォンブランドとして発表したアーチトップエレクトリックギターです。その中でも最も一般的なモデルはE-230TDであり、2基のP-90ピックアップを搭載しています。
構造的特徴
エピフォン・カジノのボディデザインはギブソン・ES-330を基にしており、セミアコースティックギターに似た薄型のボディを持ちつつも、フルアコースティックギターの特性を備えています。このため、セミアコよりもスペイシーでふくよかな音質を享受できるのが特長です。カジノには、一般のP-90ピックアップと異なり、金属製外殻が備わっているため、耐久性にも優れています。また、ボリュームとトーンコントロールノブとして、前後で合わせて4つが設けられています。ピックアップのセレクタースイッチも、他のギブソン製ギターと同様の構造となっており、使用する際の音の選択肢も豊富です。
サウンドの特徴
カジノはセンターブロックを持たないため、セミアコタイプのギターに比べて豊かで太いサウンドを生み出します。そのため、リズムギターや
リードギターの両方に対応できる楽器です。ロックだけでなく
ジャズでも活用され、生音でも充分に鳴りますが、アンプの近くで演奏するとフィードバックが発生することが懸念されます。逆に、このフィードバック現象を活かした演奏スタイルも広まり、さまざまな表現が可能です。多くの著名なミュージシャンがこのギターを愛用し、特にジョージ・ハリスンの使用が有名です。
代表的なスペック
- - ボディ・トップ材: メイプル(5プライ構造)
- - ボディ・サイド材: メイプル
- - ボディ・バック材: メイプル
- - ネック材: マホガニー
- - フィンガーボード材: ローズウッド
- - ネック・ジョイント仕様: セット
- - スケール: 24.75"
- - ブリッジ: Gibson ABR-1
- - テールピース: トラピーズタイプ
- - ピックアップ: P90×2
- - コントロール: 2Vol, 2Tone, 3Wayスイッチ
- - カラー: サンバースト、チェリー(レッド)、ナチュラル、エボニー(ブラック)など
近年の主要モデル
カジノは最近でも多様なモデルが市場に登場しています。一般的に販売されているレギュラー・カジノや、エリーティストカジノなどがあり、様々なニーズに応えています。また、
ジョン・レノンモデルの復刻版や、特別仕様の製品も限定生産されることが多く、これらのモデルはコレクターアイテムとしても人気を集めています。
使用ミュージシャン
エピフォン・カジノは、
ジョン・レノンをはじめ
ポール・マッカートニー、ジ・エッジ、ノエル・ギャラガーなど、数多くの有名ミュージシャンに愛用されています。彼らの音楽スタイルに適応する柔軟性から、今なお多くのプレイヤーに親しまれています。これからもその魅力は色あせることなく、多くのアーティストに影響を与えることでしょう。