オランダ南部の
北ブラバント州に位置する「エフテリング」(De Efteling)は、訪れる人々を魅惑的な
ファンタジーの世界へと誘う、
オランダを代表する大型テーマパークです。その名は
オランダ語で「De Efteling」と称されますが、定冠詞を省いて単に「エフテリング」と呼ばれることが一般的です。
創設とおとぎ話の始まり
エフテリングの歴史は、1952年5月31日に正式に開園したことから始まります。当初は、現代のような絶叫マシンが立ち並ぶ
遊園地の形態ではなく、おとぎ話や冒険物語を主題とした静かで美しい「おとぎの森」(Sprookjesbos)として誕生しました。このユニークなコンセプトは瞬く間に人気を博し、開園初年度には既に年間20万人を超える来園者数を記録しました。
時が経つにつれて、エフテリングはその規模を拡大し、提供するエンターテイメントの幅を広げていきました。おとぎの森に加えて、様々な種類のアトラクションや施設が次々と整備されていったのです。この発展は来園者数の増加に繋がり、1960年代後半には年間100万人という大きな節目を達成しました。この年間100万人以上の来園者数は、2015年まで長年にわたり維持され続け、エフテリングが地域の主要な観光地としての地位を不動のものとしたことを示しています。
さらに、2010年からは年間を通して休業日を設けない年中無休での開園に踏み切り、より多くの人々が年間を通じて訪れることができるようになりました。この変更後、2015年までの数年間は、年間約400万人というかつてない規模での来園者数を記録しています。交通面においても、バス路線が運行されており、2014年にはバス停のリニューアルが行われるなど、アクセスの利便性向上にも配慮がなされています。
広大な敷地と個性豊かなエリア構成
エフテリングの敷地面積は約2平方キロメートルと広大で、この空間は明確なテーマを持つ5つの主要なエリアに分割されています。それぞれのエリアは独自の雰囲気とアトラクションを提供しており、多様な楽しみ方が可能です。
セントラルエリア: 園の中心部に位置し、来園者を迎えるエントランスやサービス施設が集まる基点となる場所です。
冒険の王国(Fantasierijk): ジェットコースターをはじめとする、スリルと興奮に満ちたアトラクションが集まるエリアです。速さや高さといった要素を楽しみたい方に適しています。
異世界の王国(Anderrijk): お化け屋敷や、少しダークで神秘的な世界観のアトラクションが配置されたエリアです。日常とは異なる雰囲気を味わえます。
おとぎ話の王国(Marerijk): エフテリングの原点であるおとぎ話の世界が広がるエリアです。有名な童話や物語が忠実に再現されており、メルヘンチックな散策が楽しめます。
*
旅の王国(Reizenrijk): 広大な園内を効率的に移動するための列車やボートといった乗り物が中心となるエリアです。パーク内の移動そのものがアトラクションの一部とも言えます。
これらのテーマエリアに加え、園内には美しい庭園が整備され、随所に趣のあるモニュメントが設置されており、散策するだけでも十分楽しめます。また、食事や休憩のためのレストランやカフェ、ショップなども充実しており、一日を通して快適に過ごせる環境が整っています。エフテリングは、その独自の
ファンタジー世界と多様な施設で、訪れるすべての年齢層の人々に忘れられない体験を提供し続けています。